銚子電鉄横領事件 †
2006年8月29日、銚子電鉄前社長の内山健治郎(62)が横領の容疑で逮捕された。前社長による横領は、銚子電鉄がいま直面している困窮の原因の1つとなっている。
事件の概要 †
1990年1月に銚子電鉄の経営権が千葉交通から内野屋工務店に移り、内山が銚子電鉄の社長に就任した。内野屋工務店は東金市の総合建設業者で、内山は千葉県議(東金市選挙区)を務めた経験もある地元の名士であった。しかし内野屋工務店は経営が悪化、1998年6月に自己破産申請を行い事実上倒産した。負債総額781億円は県下最大であった。
その後も内山が銚子電鉄の社長を務めたが、2003年12月に銚子電鉄の銀行口座が差し押さえられ、調査したところ内山が2件の債権者から会社名義で930万円の借金をしていたことが発覚した。内山は代表者印を取締役会や経理部門に無断で持ち出し、会社名義の借金を重ねていた。内山は電鉄側に「別の新会社を作って資本金を集め、アパート経営などをしたい」と話していたという。銚子電鉄は2003年12月31日の取締役会で内山を解任した。
銚子電鉄は2004年6月に特別背任罪で内野を告訴、内山は2006年8月29日に逮捕された。さらに長野県の会社経営者から借りた1000万円を着服したとして9月に再逮捕された。その後の捜査でさらに9000万円を着服したとして追送検された。横領総額は1億950万円。内山はその全額を着服し横領、6940万円を自己の借金返済に、残りは知人へ貸付けしたとされる。内山被告は2006年11月15日の第1回公判で、「間違いございません」と起訴事実を認めている。
- 内山の経歴
1990年1月 内野屋工務店が銚子電鉄を買収、社長就任
1998年1月 東金より立候補、千葉県議となる(約1年間)
1998年6月 内野屋工務店が自己破産申請
2003年12月31日 銚子電鉄取締役会で社長を解任される
2004年6月 告訴
2006年8月29日 逮捕
2006年9月19日 起訴
2006年9月20日頃 再逮捕
2006年10月4日 追起訴
- 横領金額 総額1億950万円
内訳(報道等より、重複あり)
900万円-2003年6月下旬、横林が取引していた都内食品関連会社
930万円-2003年2月と11月、2件の債権者からから借入れ
1000万円-2003年7月下旬、長野県の会社経営者(横林容疑者の紹介)から借入れ
7000万円-2003年5月〜9月、横浜市の会社役員ら4人から借入れ
- 横林雄二 容疑者
内山の共犯容疑がかけられているソフトウエア会社�螢泪鵐椒Ε轡好謄爛左擬卍后２甬遒�4社を倒産させた経歴がある。内山が起訴された2006年9月19日時点で処分保留、その後の処分は不明。
2006年8月29日 逮捕
2006年9月19日 処分保留
- (株)銚電観光開発
設立-平成16年9月
住所(当時)-東京都港区麻布十番1丁目3-8 エフプラザビル602(横林容疑者のソフトウエア会社と同一ビル内)
- (株)マンボウシステムズ
※現在は別会社となっている模様、詳細不明
設立-平成12年6月
資本金-1,000万円
主な商品-競馬予想ソフト
住所(当時)-東京都港区麻布十番1丁目3-8 エフプラザビル201(銚電観光開発と同一ビル内)
自己破産 †
内野屋工務店は1998年6月に自己破産申請をしているが、内山健治郎個人が自己破産をしたかどうかは不明。しかし内山がその後も銚子電鉄の社長を務めていたこと(会社法施行以前、破産手続中の者は取締役の欠格事由該当者だった)、社長解任後に告訴されていることから、自己破産をしていないと思われる。また、横領など犯罪に関する負債については通常、自己破産が認められない。
裁判 †
刑事(一審) †
- 事件番号
千葉地方裁判所 平成18年(ワ)第2066号
- 公判
- 第1回
平成18年11月15日
千葉地方裁判所 裁判官/古閑美津恵
内山被告、起訴事実を認める
- 第2回
平成18年12月22日 午後1時20分
千葉地方裁判所305号法廷
※傍聴席18席。11/28現在、報道機関からの傍聴席確保要請なし(第1回は10席を報道機関に提供)。
- 第3回
平成19年3月9日 午後1時20分
千葉地方裁判所 裁判官/古閑美津恵
証拠調べ行われる
検察、「銚子電鉄を食い物にした衝撃は多くの鉄道ファンに広がっている」として懲役5年を求刑
被告、「無報酬で社長を務め、私利私欲目的ではなかった」として情状酌量を求める
結審
- 第4回(予定)
平成19年5月9日 午前11時00分
判決言い渡し(予定)
※当初4月23日の予定であったが延期された
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