━─ LRWC ニュース━─━─━─━─━─
※特記以外、引用文中の太字強調及び赤字強調はLRWCによる。
7月7日暫定(後日再編集予定) †
更新車両導入と車両オーナー募集 †
- 銚子電鉄は7月4日、伊予鉄道800型2編成4両の導入と、車両支援オーナーを一口10万円で募集することを公式ＨＰで公表した。また、車両の愛称命名権も1編成につき300万円で売却される。
車両支援オーナー制度
- 車両支援オーナー制度は、車両導入費用9300万円のうち概ね2000万円を債券化するものである。償還は行われない。第一回オーナー募集口数は200口で、募集期間は平成21年7月中旬から8月31日(7月18日より申込書配布予定)。
債券化の詳細についてはよく分からない。オーナー募集200口で2000万円だと一口10万円で200分の1の債券と思ってしまうが、車両価格が9300万円なら930分の1の債券かもしれない。「第一回オーナー募集します。」と書いてあるからには第二回以降の募集の可能性も考えているのだろうが、第一回募集で200口(2000万円)に達しなければ追加募集するのか、或いは残り7300万円の一部をさらに債券化して募集するのかもよく分からない。
- 銚子電鉄が濡れ煎餅などの商品購入やサポーターズ経由ではなく、直接に一般へ金銭支援を求めるのは銚電ブーム以降初めてである。しかも、車両を債券化して個人オーナーとなる方法は殆んど前例がないと見られる。申込書配布開始日は7月18日が予定されているが、それまでにオーナー制度の更なる詳細(特に世間一般で言う債券との違い)を明らかにする必要性があるように思われる。
一人でも多くのオーナーを集めるには、オーナー志望者が応募をためらう要素(車両支援オーナー制度がよく分からない等)の排除と、迅速な事務手続き体制が必要である。
ノスタルジィと、待った無しの近代化
- 銚電の魅力の多くを占めるのは、懐かしい古い車両である。引退を惜しむ声は大きく、代替車両導入後は客足が遠のくとの危惧もある。動態保存的に旧型車を残してほしいという期待は当然であるが、残念ながら現実は大変に厳しい。
オーナー募集のPDF文書には「安全性緊急評価で代替え更新の指摘を受けた車両です。」との記載があるが、下に示すのが公的機関(社団法人他)が作成した安全性緊急評価報告書のうちの1ページである。
- ここでは台車の問題について指摘しているが、台枠を含む車体、電装品など床下機器については更に厳しい指摘がされている。報告書に記載された上で問題点が指摘されていないのは、主回路遮断機と車輪/車軸ぐらいである。私見だが、これをレストアして現代の安全基準を満たすには新造以上の労力が必悪と感じられる。一両の旧型車を長期使用出来るまで修理する費用は、恐らく代替車両4両の導入費用よりずっと高いのではないか。
- 報告書は車両だけでなく、土木(地上設備)についても厳しく指摘している。代替車両導入は銚電再生の証ではなく、第一歩に過ぎない。これまでは緊急対策であったが、今後は長期運行のための本格的対策が求められる。
付加価値としてのノスタルジィは重要だが、銚電に第一に求められるのは『安全性』である。旧型デハとサヨナラしたなら、次は草生えるへろへろ線路ともサヨナラしなければならない。地鉄ファンの趣向に反するが、近代化の必要性は待った無しの状況である。
![[PukiWiki]](image/pukiwiki.png "[PukiWiki]")
