【再建問題】 最終決戦! 存続派 vs 乗っ取り派 (過去ログ用TOP記事・12/22記)

  • 2013年12月20日。竹本体制下の新経営陣による銚子電気鉄道株式会社経営改善計画 (PDFソース) が、銚子市ホームページで公表されました。それは、「銚子電鉄の株の過半数を保有する小川文雄氏 (銚電前社長) と銚子電気鉄道労働組合」 による経営への影響力の排除を目的とする、とんでもないものでした。銚電乗っ取り・クーデター派が、遂に表舞台でその牙を剥いたのです。
  • 2012年12月に小川氏が社長を退いて早々に、市長当時の野平匡邦氏と、北川財団専務理事で (株)ミヤベル機工の宮内智氏は、竹本新社長に対して 「自主再建断念と上下分離方式導入を記者会見で発言しないと支援しない、鉄道部門と煎餅部門は新会社化して銀行からの借金は踏み倒せ」 との要求をします (ソース:加瀬庫藏議員による平成25年6月14日の市議会発言)。「借金踏み倒しを目的として事業と資産を新会社へ移動させる行為」 って言うのは、世間で言うところの計画倒産偽装倒産にあたるものではないでしょうか?
  • 当時市長の野平氏は銚子市行政のトップ、現在は銚子商工会議所の会頭となっている宮内氏は銚子市の商工業界のトップです。行政のトップや地元商工業界のトップが、地元の公共交通機関である銚子電鉄に対して、「計画倒産・偽装倒産により銀行からの借金を踏み倒せ」 との破廉恥極まりない要求をする。残念ながら、それが銚子市の現実です。
    小川氏は社長として長きに亘り、こんなとんでもない地元行政・商工業界の有力者と対峙して銚子電鉄を守ってきました。ホテル・旅館業の経験をもとに、困難と言われたJRキオスクや高速道路PAへの売込みを成功させ、ぬれ煎餅事業を育ててきたのも小川氏です。そんな小川氏を、新経営陣は経営再建の邪魔者として排除しようとしています。
  • 報道は、国や市が経営改善計画を支持しているかのように報じています (今のところ、越川市長が計画を支持していないとの報道は見当たりません)。市長選挙前の2013年4月11日の公開討論会で、野平氏の政治姿勢について 「銚子電鉄についても支援に名をかりた乗っ取りではないか」 と厳しく批判した越川信一氏がなぜ、このようなトンデモ計画を支持するようになってしまったのでしょうか。
    「ブーム以前の無名時代から地道に懸命に小さな鉄道を支えてきた小川氏や銚電労組がゴミのように切り捨てられ、地元の有力者に成果を奪われる」、このような横取り行為を支持することが、越川新市長の掲げる 「新たなビジネスと雇用の創出構想、銚子のブランド力」 を推進することになるのでしょうか。
  • きゃべっしーなる 「ゆるキャラ」 が厳しい批判を浴びたのは記憶に新しいところです。ふなっしーをパクッたように、乗っ取り派はいま、銚電労働組合と小川元社長から電車とぬれ煎餅を横取りしようとしています。
    銚子電鉄を乗っ取ったあと、乗っ取り派は苦労して末永く鉄道事業を続ける覚悟があるのでしょうか。それとも、儲かる濡れ煎餅部門だけ抜き取って、鉄道部門はゴミのように捨てて潰してしまうつもりなのでしょうか。

 
 

【再建問題】 経営改善計画を公表、小川氏・銚電労組の排除を明確化 (12/21記)

  • 12月20日に銚子市公式HPの銚子電気鉄道運行維持対策協議会のページが更新され、11月30日開催の第2回協議会と12月17日開催の第3回協議会の情報が公表されました。以前、銚子市公式HPのトップページの新着情報から協議会ページの更新情報が消されたことがありましたが、今回もトップページの新着情報では告知されておらず、あまり市民に知られたくない情報のようです。
  • 協議会委員の情報も更新され、11月30日現在の委員等名簿を見ると、5月20日付で辞任したはずの (株)ミヤベル機工の宮内智氏が、「銚子商工会議所 会頭」 の名義で再び委員となっています。ご存知のとおり、宮内智氏は野平市長(当時) とともに、銚子電鉄に対して自主再建断念や借金踏み倒しなどの要求をした人物です。こんな人物が協議会委員に返り咲くようでは、本当にもうだめかもわからんね。
    委員の情報は公開されましたが、現在の協議会の会長が誰なのかは不明です。銚子商工会議所の前会頭で協議会会長だった伊藤浩一氏は、「学識経験者」 の名義で委員に留まっています。また、銚子電鉄サポーターズ元副会長の坂本雅信氏の委員の名義も、「銚子市観光協会 会長」 から 「学識経験者」 へと変更されています。
  • 公表された経営改善計画は例によって突っ込みどころ満載ですが、やはり目玉は、小川文雄前社長と銚子電鉄労働組合の影響力の排除を計画書に明記したことでしょう (PDFファイル6ページ目)。今まで陰でコソコソ動いていた銚電クーデター派が、遂に表舞台に出て牙を剥いたのです。
  • 内山健治郎元社長が犯した横領事件により苦境に陥った銚子電鉄を、小川前社長や銚電労組は懸命に支えました。現在、小川氏や銚電労組が株式の過半数を保有しているのは、小川氏や銚電社員が私財を投じたからとも伝えられています。
    平成18年11月15日の夜、「電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください!! 電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」 とのメッセージとともに、銚子電鉄公式HPに緊急報告が掲載されました。緊急報告に記された名前は、「銚子電気鉄道株式会社 代表取締役社長 小川文雄」、「銚子電気鉄道労働組合 執行委員長 常陸谷恭弘」、そして 「従業員一同」 でした。7年前、多くの人々が心打たれて応援したいと思ったのは、小川氏や銚電労組が苦労して支えていた銚子電鉄だった筈です。
    その小川氏と銚電労組を、竹本体制下の銚電新経営陣は、「銚子電鉄の経営再建の邪魔者」 として排除しようとしています。経営改善計画書は、なぜ小川氏と銚電労組の影響力を排除する必要があるのかを明記していません。いったい、小川氏と銚電労組がどんな悪いことをしたと言うのでしょうか。銚電新経営陣とその背後にいる勢力は、正当な理由なく、ただパワーゲームで小川氏と銚電労組の排除を目論んでいるだけなのではないのでしょうか。
  • 竹本新社長は就任早々、野平匡邦市長(当時) と宮内智氏 (北川財団専務理事・銚子商工会議所副会頭・ミヤベル機工) より、「自主再建断念と上下分離方式導入を記者会見で発言しないと支援しない、鉄道部門と煎餅部門は新会社化して銀行からの借金は踏み倒せ」 との破廉恥極まりない要求を受け (加瀬庫藏議員による平成25年6月14日の市議会発言より)、これに屈して自主再建断念と上下分離方式導入を公表してしまいます。
    その竹本新社長が現在、銚電乗っ取り・クーデター派の言いなりになっていないと信じることが出来るでしょうか?
  • 小川氏と銚電労組は銚電株の過半数を保有しているので、今なら竹本新社長を解任して反撃することが可能です。しかしそうすると、対抗勢力側は 「銚子市や国交省が銚電支援をしないように仕向ける」 と圧力を掛けてくるでしょう。小川氏と銚電労組は、銚子電鉄という人質を取られた上で 「銚電を助けたければ株主としての権利を手放せ」 と迫られているのです。まさに最終決戦です。
     
  • 映画なら、「娘の命を助けたければ、宝の在りかを白状しろ」 と主人公が悪者に脅されているあたりです。「宝の在りかを白状して娘の命が助かる」 ならまだ良いですが、本物の悪者は、宝を横取りした上で主人公と娘を殺そうとするでしょう。
    「銚電の存続のためなら」 と、小川氏と銚電労組が株主としての権利を手放したあとになって、乗っ取り・クーデター勢力が銚電をムチャクチャにしてしまわないという確証が持てるでしょうか。こんな汚いマネをする連中に、「鉄道を愛するココロ」 が少しでもあると信じることが出来ますか?
     
  • 愛しの銚子電鉄の走る町・銚子は、残念ながら大変に難しい問題を抱えているようです。なにゆえに、行政のトップやら地元商工業界のトップやらが、「小さく貧しい鉄道を必死に支えてきた小川氏や銚電労組」 に対して、斯様に酷い仕打ちをするのでしょうか。

 
 

【再建問題】 市政報告会での越川市長の発言が公表される (12/13記)

  • 12月12日に銚子市公式HPの市長のページが更新され、10月11日に開催された 「平成25年度 第1回市政報告会」 の概要が公表されました。
  • 市政報告会での質疑応答のうち、銚子電鉄に係る部分を下記に引用します。越川市長は、10月時点では銚電存続に前向きな姿勢だったことが窺われます。一方で越川市長は、6月市議会の所信表明や9月市議会の挨拶では銚子電鉄に対する支援について発言をしていましたが、12月市議会の挨拶では銚子電鉄について触れておらず、銚電支援の優先度に変化がないか、若干気になるところです。
  • 銚子電鉄に係る質疑応答
    • 参加者
      「銚子電鉄沿線に住んでいる。毎日電車を見ているが、乗っている方が10人くらいで、一人も乗っていない数の方が多い。」
  • 市長
    「銚子電鉄の問題、乗る人が本当に少ないということの中で、やはり経営的にも非常に危機と言っていい状況と言われている。銚子電鉄は観光電車といった側面が非常に強い。通勤通学で乗られる方は、朝晩は結構乗っているが、昼間の時間帯、また、休日は震災以降、銚子の観光客は非常に減っており、それが犬吠埼の閑散とした状況にもつながっている。かつては、270万人来ていた銚子の観光客が、今は200万人を切るというような状態まで激減をしている。また、観光電車という側面で言えば、やはり観光客を増やさないとどうしても増えないという要素がある。今までは、ぬれ煎餅の収入で何とか赤字をしのいできたが、ぬれ煎餅で補てんするのは難しいという状況の中で、運行維持対策協議会というものを市で設置して、今後の対応について検討をしている。一つは車両の更新については、国と県、市それと事業者それぞれが割合で負担をするというような協調補助の制度を目指しながら協議を続けている。根本的にはどうやって乗る人を増やしていくという問題があるので、市民の皆さんが乗るにはどうしたら良いのか、通勤通学の足として利用してもらうにはどうするかということだと思う。」

 
 

12月9日、初日の出ダイヤ公表 (12/9記)


12/10追記

  • 1年前 (2013年元旦) に運転された上下一往復 (外川発2:29 → 2:48銚子着 / 銚子発3:00 → 3:19外川着) の列車が無くなっていますが、2年前 (2012年元旦) には当該列車は無かったので、昨今の減便姿勢とは関係なく、2年前の正月ダイヤに戻したと思われます。
    因みに1年前は、元旦の午前2時18分頃に銚子へ到着するイベント列車 「いろどりオープニング号」 が運転されており、1年前に増発された一往復は、これに対応したものだったようです。
  • 1月1日は例年どおり、午前10時過ぎまで犬吠駅発着の初日の出ダイヤとなり、外川駅の列車の発着は午前10時台以降となります。
    昨年と異なるのは日中のダイヤで、1月1日は初日の出ダイヤ終了から午後4時台まで、1月2日と3日は午前9時台から午後4時台まで、通常の減便ダイヤをベースに増発列車が運転されます。
  • 初日の出ダイヤと通常の朝ラッシュ時ダイヤを合わせると、正月は三日間とも、日の出から日没までの撮影タイムに毎時2本の列車が運転され、その全列車が笠上黒生駅で列車交換を行うことになります。
    正月三が日とも、笠上黒生駅での列車交換は午後4時44分が最後で、これ以降は最終列車まで毎時1本の減便ダイヤとなります。
  • 前回・前々回の事例から、1月1日は2000形2本、1月2〜3日は2000形と1000形を組み合せて運用するのではないかと思われますが、実際の運用がどうなるのかは不明です。
    デハ1001(銀座線色) は12月8日現在も、台車を外してジャッキアップされた状態です。検査入場して2ヶ月が経過しており、「台車さえ戻って来ればすぐにでも運用復帰できる状態」 かと思われますが、一方で 「2ヶ月もジャッキアップされていることから、いつ台車が戻って来るのか目処が立っていない状態」 とも推定され、初日の出輸送までに運用復帰するのかどうかは何とも分かりません。
  • クリスマスの前に前回検査出場から2年目を迎える2001Fグリーン編成は、今年中に検査を終えて出場することは不可能なため、年内に検査入りして正月三が日は検査中となるか、或いは初日の出輸送を終えた来年初頭に検査入りすることになります。現在、検査期限がどの程度残っているのかは不明です。
    仲ノ町車庫で3両同時に台車を外して検査することは難しいと考えられ、グリーン編成が検査入場する前にデハ1001が台車を装着出来ないなら、グリーン編成は検査切れ車両として留置するしかなくなります。この場合、運用出来るのはデハ1002(丸ノ内色) と2002Fアイボリー編成の2編成のみとなります。
     
     

【再建問題】 自主再建断念・借金踏み倒し要求の宮内智氏、商工会議所会頭に就任 (12/9記)

  • (株)ミヤベル機工の宮内智氏が、銚子商工会議所の会頭に就任しました。就任時期は不明ですが、前会頭が平成19年11月6日の第90回臨時議員総会で選ばれていることから、宮内氏の就任は11月頃ではないかと思われます。宮内氏は北川財団専務理事でしたが、現在も同職にあるのかどうかは不明です。
  • 平成25年6月14日の市議会に於ける加瀬庫藏議員の発言によると、野平市長(当時) と宮内氏は銚子電鉄に対し、「自主再建断念と上下分離方式導入を記者会見で発言しないと支援しない、鉄道部門と煎餅部門は新会社化して銀行からの借金は踏み倒せ」 との破廉恥極まりない要求をしたとのことです。
    商工会議所の会頭という権威ある立場となった宮内氏が、未だ銚子電鉄への介入を諦めていないとすれば、銚子電鉄の再建は、また一つ難しくなったことになります。
  • 銚子市が設けた銚子電気鉄道運行維持対策協議会への影響も気になるところです。協議会の会長は、商工会議所の前会頭で (株)岡田商店の伊藤浩一氏でしたが、伊藤氏が商工会議所会頭を退いたあとも、協議会の会長を継続しているのかどうか不明です。
    商工会議所の役員議員リストには、岡田商店からの議員(2号議員) として別の人物の名前が掲載されており、伊藤浩一氏は、商工会議所と運行維持対策協議会の双方の活動から退いた可能性があります。
  • 運行維持対策協議会は、5月30日に第1回会議が開催されて以降の動きが不明で、銚子市公式HPの協議会ページも7月25日を最後に更新されていないため、現在の会長や委員が誰であるかを確認することは出来ませんが、仮に伊藤氏が運行維持対策協議会の会長からも退いているとすれば、商工会議所の会頭となった宮内氏が会長となっている可能性が否定出来ません。
    宮内氏は北川財団専務理事として運行維持対策協議会の委員となったものの、市長選後の5月20日付で辞任した経緯があり、仮に会長に就任しているとすれば、協議会への2度目の参加と言うことになります。
  • 改めて記すまでもなく、「借金を踏み倒せとの非常識極まりない要求をした宮内智氏」 が運行維持対策協議会の会長に就任しているとすれば、銚子電鉄の再建は極めて難しいことになりそうです。 ただそれ以前に、6月以降に協議会が機能しているのかどうか分かりません。
    会長・委員の変更や6月以降に協議会が開催された事実があるのなら、当該情報を公開してほしいところです。

 
 

11月21日、ダイヤ改正を実施 (11/22記)

  • 11月21日、銚子電鉄は予定どおりダイヤ改正を行い、減便ダイヤでの運行が開始されました。これにより定期ダイヤ上は、笠上黒生駅での午前9時以降の列車交換が無くなりました。

25年度、なぜか車両検査費用の補助金を申請せず (11/22記)

※11/23加筆修正

車両検査

  • 10月初頭より検査入場しているデハ1001(銀座線色) は、11月18日時点でも台車を外されてジャッキアップされた状態です。検査期間が長いのは技術的な問題か、検査費用の問題か、或いは意図的に検査期間を延ばしているのかは分かりません。
  • 仮にデハ1001の検査明けと入れ替えに2001Fグリーン編成が検査入場する場合、今年中に検査を終えて出場するのは難しいと考えられ、年内に検査入りして正月三が日も検査中となって年末年始輸送に参加しないか、或いは初日の出輸送を終えた来年初頭に検査入りすると考えられます。
  • 年明け入場の場合、休車措置による検査期限延長が必要なので (前回は2011年12月22〜23日に検査明け運用復帰)、検査入りするまでグリーン編成の運用入りは少な目になるかも知れません。
  • グリーン編成が検査を終えた後は、2002Fアイボリー編成の検査入場となります。アイボリー編成の前回の検査明け運用復帰は2012年3月23〜24日で、グリーン編成が年明け入場となる場合はアイボリー編成の検査期限にも余裕がなくなるため、こちらも休車措置となる可能性があります。
     

補助金申請

  • 国土交通省は、銚子電鉄の車両検査費用の3分の1を助成しており、平成23年度は2000形電車4両 (グリーン編成 & アイボリー編成) に対して633万3333円、平成24年度はデハ1002(丸ノ内色) に対して232万4533円を補助していますが、銚子電鉄は平成25年度について、なぜか車両検査費用の補助金申請を行なっていません。申請したのは線路設備 (軌道・枕木) の230万円のみです。
  • 後から追加申請する可能性もありますが、減便ダイヤを導入するほど車両検査費用に困っているはずの銚子電鉄が、なぜ5両分 (2000形4両とデハ1001) の定期検査費用の補助金を申請しなかったのかは不明です。前年度〜前々年度の実績から、申請していれば800〜900万円程度の補助金を得られた可能性があります。
  • ところでこの補助金、申請するには国、自治体、地域の代表、事業者などで構成される協議会の係わりが必要です。銚子電鉄の場合は 「銚子電鉄安定運行推進協議会」 なのですが、この協議会の会長は、銚子電鉄サポーターズ元副会長の坂本雅信氏です。なぜ協議会で車両検査費用の補助金申請が盛り込まれなかったのか、大変気になるところです。
     

代替車導入計画

  • 平成25年度の 「鉄道軌道安全輸送設備等整備事業計画」 では、車両の交換について、平成26年度に1両、平成27年度に1両となっています。デハ1000形の検査期限に合わせた計画と見られ、実現性は未知数ですが、少なくとも平成25年6月11日時点ではそのように計画されています。

 
 

緊急報告から7年 (11/15記)

  • 銚子電鉄のHPに緊急報告が掲載されてから7年となりました。小川社長退任後の激動の一年について記そうと思っていたのですが、最近多忙のため、後日にコメントを掲載させて頂きます。
     

10月25日、ロンチキ工臨が銚子へ運転 (10/25記)

  • 10月25日、新小岩 → 銚子間でチキ5500形 (ロンチキC編成) を使用したロングレール輸送の工事臨時列車が運転されました。銚子到着は夜だった模様で、帰りの銚子工臨は早くても明日以降となるため、明日26日の朝の時点では銚子駅に留置されていると思われます。
  • 銚子工臨でのロングレール輸送は年に1度だそうで、タイミングが良ければ銚電車両との貴重な一枚をモノに出来る可能性もありますが、訪銚に際しては接近している台風に十分留意して下さい。

デハ801、線路終端部に移動の模様 (10/25記)

  • 10月18日時点で、屋根上作業台を外して外川駅の機回し線に留置されていたデハ801ですが、10月25日時点で同駅の線路終端部付近に移動している模様です。10月20〜21日の架線トラブルの際に、デハ801が復旧作業に使用された可能性がありますが未確認です。25日時点で、屋根上作業台は装着されていない模様です。
     

2001F、パンタ損傷のためシングルアーム装着 (10/23記)

  • 10月23日のRMニュースによると、2001Fグリーン編成は10月20日に発生した架線トラブルのためパンタグラフを破損し、10月22日までにシングルアームパンタの取付工事が実施されたとのことです。
  • 同ニュースによると架線トラブルの発生は20日早朝で、君ヶ浜〜海鹿島間でグリーン編成が自走が不可能となったため、2002Fアイボリー編成が仲ノ町まで牽引しました。パンタグラフの損傷が大きかった為か集電装置はシングルアームパンタに交換され、10月22日午前10時頃に区間運転用のスジを利用して、仲ノ町〜笠上黒生間で試運転が行われたとのことです。
  • シングルアームパンタは、以前から仲ノ町車庫の片隅に置かれていたものを使用したと思われます。今後、従来のパンタを修理するのか、或いはこのままシングルアーム化されるのかどうかは不明です。なお、グリーン編成は10月23日に運用入りした模様です。

公式HP、290万HIT! (10/23記)

  • 10月23日夕刻ごろ、銚子電鉄公式HPのカウントが290万を超えました。なお、280万HITは平成25年5月1日でした。
    ・290万HIT--平成25年10月23日夕刻頃
    ・280万HIT--平成25年 5月 1日
    ・270万HIT--平成24年12月10日未明
    ・260万HIT--平成24年 5月19日夜
    ・250万HIT--平成23年10月21日夜
    ・240万HIT--平成23年 3月27〜28日頃
    ・230万HIT--平成22年10月12日
    ・220万HIT--平成22年 6月21日頃
     

2日間連続で、架線トラブルのため一時運休 (10/21記)

  • 10月20日の昼間、銚子電鉄線は架線トラブルのため一時運休となりました。その後、運転を再開しましたが、21日に再び架線トラブルのため運休となりました。トラブル発生場所が同じなのかどうかは不明です。
  • 銚電公式ブログによると、21日の架線トラブルは19時45分時点で 「復旧には、時間がかかる見込み」 と案内されており、運休は終電まで続いた可能性があります。また、22日の始発までにトラブルが解消するのかどうかは分かりません。

11月21日からの減便ダイヤ導入を公表 (10/18記)

  • 10月18日、銚子電鉄は公式ブログにて、11月21日(木) にダイヤ改正を実施すると公表しました。公式HPに掲載されている改正ダイヤは、朝のラッシュ時を除いて列車がほぼ半減する減便ダイヤとなっています。
  • 改正ダイヤでは、外川始発の編成 (前日より外川で夜間滞泊) が朝8時58分に銚子駅に到着したあと仲ノ町へ引き揚げ、それ以降は一編成のみでの運用となります。つまり、臨時列車運転の場合を除き、午前9時以降は笠上黒生駅での列車交換が見られないことになります。
  • 8月26日の項目に長々と書きましたが、減便ダイヤはデメリットが非常に大きい一方で、メリットらしきものが見出せません。あえてメリットとなるものと言えば、臨時列車でイベントごっこが出来ることぐらいでしょうか。

JR東日本、2014年の 「犬吠初日の出号」 ダイヤを公表 (10/18記)

  • 10月18日、JR東日本は公式HPのプレスリリースにて、「犬吠初日の出号」 のダイヤを含む、平成25年12月から平成26年2月までの増発列車の情報を公表しました。

10月16日、台風のため一時運休 (10/16記)

  • 10月16日、銚子電鉄線は台風26号接近の影響により一時運休となりました。内閣府の防災情報ページによると、銚電は午前6時00分より運休し、午後1時38分に運転を再開しました。倒木の被害があったようです。

デハ1001の台車が外される、検査入場か? (10/6記)

  • 10月6日現在、デハ1001(銀座線色) は台車を抜かれ、ジャッキアップされた状態で仲ノ町最奥線に置かれており、車両検査を実施するものと思われます。
  • 仮にデハ1001の検査を実施する場合、10月末〜11月初頭頃のデハ1001の検査明けを待って2001Fグリーン編成が検査入場し、年末年始輸送のため12月末頃までに検査を終えるのではないかと推定されます (グリーン編成の前回の検査明け運用復帰は2011年12月23日頃)。
     

10月12日、2DAY弧廻手形を発売予定 (10/6記)

  • 10月4日の銚電公式ブログによると、10月12日より 『「銚子秋の陣限定」 2DAY弧廻手形 (2日乗車券)』 を発売するとのことです。鉄道ファン向けの企画商品ではないようです。

10月のイベント予定 (10/3記)

  • 10月1日と2日の銚電公式ブログに、10月のイベント予定が掲載されました。

9月23〜26日の2002F (9/26記)

  • 9月23日、銚電公式ブログでの事前情報では運用休みの予定でしたが、2002Fアイボリー編成(開業90周年カラー) が運用に入りました。
  • 9月24日朝、運用に入った2002Fが車輌トラブルを起こし、外川駅の線路終端部に留置されることとなりました。後続列車の運行のために外川〜笠上黒生間でスタフ (タブレット) の陸送が行われた可能性がありますが、詳細は不明です。2002Fは運行終了後の夜間に、外川から仲ノ町へ移動したと思われます。
  • 9月25日、2002Fは運用に入りました。前日の車輌トラブルは軽微なものだったようです。また、きょう9月26日も2002Fは運用に入った模様です。

9月20日、2002Fが開業90周年カラーで運行開始 (9/21記)

  • 前日の銚電公式ブログでの告知どおり、9月20日より2002Fが開業90周年カラーでの運行を開始しました。新塗装は銚子方デハ2002の前頭部のみで、外川方のクハ2502はそのままです。銚電公式ブログによると、明日と明後日 (22〜23日) は2002Fが運用を外れる予定とのことです。
     

2002F新塗装は車体前部のみ、9月20日より運行予定 (9/19記)

  • 銚子電鉄は9月19日の公式ブログにて、開業90周年カラーの2002Fを、あす9月20日から平成26年5月まで運行すると公表しました。同ブログには、車体前部 (車体正面と側面の一部) を銚電標準色に塗装されたデハ2002の画像が掲載されています。
  • 大部分の車体側面は 「アイボリーに赤帯」 のままで (張上屋根の茶色は塗装ではなかったようです)、またクハ2502の車体前部がどうなっているのかは不明です。デハ2002の銚電標準色部分には、「ありがとう開業90周年」 の文字が書かれています。

9月18日、2002Fの塗装変更作業始まる (9/18記)

  • 9月16日に京王アイボリー色での運行を終了した2002Fですが、翌17日には正面窓などへのマスキング作業が始まり、9月18日には塗装作業が行われました。
  • 銚子方のデハ2002の正面上半分がダークブラウンで塗られており、部分的に外板のパテ補習も行われています。また、デハ・クハとも張上屋根の上部が茶色っぽくなっており、最近の画像との比較により錆が付着したものではなく、ダークブラウンの塗料を軽く吹いた状態なのではないかと思われます。
  • 上半分ダークブラウンというと、ぬれ煎餅ブーム以前の銚電の標準的な塗装 (上半部焦げ茶・下半部赤) が思い浮かびます。
    銚子電鉄からの公式発表は行われていませんが、8月15日より関東鉄道協会 (かんとうみんてつ) の公式HPに掲載されている 『銚子電鉄開業90周年キャラクター 「くもなし あかり」』 の画像を見ると、キャラクターが 「銚電標準塗装化されたデハ2000形のポシェット」 を持っているように見えます。このキャラクターは 「大人の鉄道入門」 という雑誌にも掲載されており、こちらでは 「銚電標準塗装化されたデハ2000形とクハ2500形のポシェット」 と思われる2枚の画像を見ることか出来ます。
  • 「くもなし あかり」 のデザインは、スタジオサウスサンドの月邸沙夜氏によるもので、いすみ鉄道公式キャラクターの 「上総いすみ」 や、ひたちなか海浜鉄道の冊子 「縁起のいいパスポート」 も同氏のデザインです。
  • 「いすみ鉄道」 と 「ひたちなか海浜鉄道」 は、クーデター組織・銚子電鉄サポーターズと繋がりが深いようで、小川文雄氏が社長を退任して以降、両鉄道関連の市民団体が銚電のイベントに参加するなど、サポーターズ周辺の活動は活発化しているようです。
    新塗装の車両や新しいマスコット・キャラクターの登場は、一般的には喜ばしいイベントかと思われますが、サポーターズ絡みかも知れないと思うと、個人的には何だかなあと思うところです。
  • 9月21日に某イベントが予定されており、早ければ当該イベントで新塗装化された2002Fが使用される可能性も無いとは言えませんが、塗装作業のスケジュール的には、同日からの運用入りは少々厳しいような気もします。
    仮に2002Fの新塗装が銚電標準カラー (アル・カッポレ色) だとすると、銚電標準色による営業列車の運転は、2010年9月23日の旧型車両さよなら運転以来、およそ3年ぶりとなります。
     

9月16日、2002Fが京王アイボリー色での運行を終了 (9/17記)

  • 事前発表のとおり9月16日、2002Fが京王2010系特急運用カラーでの運行を終了しました。9月15〜16日の最後の2日間は、銚子方の正面サボ受けに 「ありがとうアイボリーカラー」 と記されたヘッドマークを掲出して運用に入りました (外川方は掲出されなかった模様)。
    残念ながら最終日の9月16日は、台風18号の接近により多くの交通機関の運行が乱れたため、訪銚した鉄道ファンは少なかったようです。
  • イオンラッピング車として銚電での運行を開始した2010年7月24日以降ずっと、ベース塗装としてアイボリーに塗られていた2002Fですが、「ありがとうアイボリーカラー」 とのヘッドマークの記載を見ると、次の塗装はアイボリー以外になるような気がしないでもありません。

9月15〜16日、2002Fアイボリー編成が運用予定 (9/13記)

  • 9月13日の銚電公式ブログによると、9月16日に京王2010系特急運用カラーでの運行終了を予定している2002Fアイボリー編成について、明日9月14日は運用から外れ、9月15日(日) と9月16日(月・祝) に運用入りすることを予定しているとのことです。

10月27日、ひたちなか海浜鉄道と姉妹鉄道提携調印予定 (9/12記)

  • 9月12日の銚電公式ブログによると、10月27日に、ひたちなか海浜鉄道との姉妹鉄道提携の調印式を那珂湊駅で行うとのことです。
  • 向後氏が絡んでそうなので、詳細は各自でご検索下さい。

【再建問題】 市長、議会挨拶で銚電支援と事業仕分けに言及 (9/11記)

  • 9月2日、越川信一銚子市長は9月市議会定例会の開会挨拶で、銚子電鉄への支援について、「銚子電鉄については、将来における経営基盤の安定を図るため、千葉県中小企業再生支援協議会の支援を受けて、現在、経営再建計画の策定に着手したところであります。市としてはその策定状況を踏まえ、運行維持対策協議会の中で議論しながら、支援の内容を具体化していきたいと考えています。」 と発言しました。
  • 銚子市が財政破綻する可能性を示した8月28日の市議会全員協議会以降に、市長が公式の場で銚電支援について言及したのはこれが始めてであると思われ、現在のところ、支援を中止することを示唆する発言は無いようです。
  • 一方で市長は、同挨拶にて 『「(仮称) 銚子市行財政改革会議」 を今月中に設置し、早期に外部機関による事業仕分けを実施する予定です。』 と表明しており、銚電支援事業自体が行財政改革会議の事業仕分けでどのように扱われるのか、気になるところです。

9月16日、2002Fが京王特急カラーでの運行を終了予定 (9/10記)

  • 9月10日の銚電公式ブログによると、現在は京王2010系特急運用カラーで運行されている2002Fアイボリー編成について、9月16日 (月・祝) に同カラーでの運行を終了するとのことです。
  • 2002Fアイボリー編成は、銚電に新規導入された2010年7月24日から2012年11月21日までイオンラッピング車として運行し、2012年12月18日頃より京王特急カラーで運用されました。このカラーでの運用は、約9ヶ月で終了することになります。

Amazonで開業90周年グッズ販売中 (9/10記)

  • 9月10日の銚電公式ブログによると、開業90周年グッズをamazonで取り扱っているとのことです。Amazonでの販売は銚電ではなく、QUADELEMENTS (株式会社クワッドエレメンツ) が担当しているようです。
  • クワッドエレメンツは、3年ほど前 (2000形運行開始から旧型車引退ごろまで) に犬吠駅売店で売られていた炭酸飲料 「サマーウォーズ・サイダー」 を企画販売した会社で、旧型車両さよなら運転イベントでは野球ユニフォーム調の 「銚子電鉄応援Tシャツ」 を販売していました。
  • 現在のところ販売が確認できるのは、「デキ3 マフラータオル 1575円」、「開業90周年クリアファイル (A:デキ3オリジナル図面バージョン) 525円」、「開業90周年クリアファイル (B:デキ3手描きイラストバージョン) 525円」、「開業90周年クリアファイル (A+B) 2枚組みセット 1050円」、「飛び出す!超立体驚きの3D車両カード 4枚組 2625円」、「デキ3 オリジナル図面復刻額装高画質ポスター 1万5750円」 の6点です。

9月6日、「ポチたまペットの旅」 が地上波で放送予定 (9/5記)

  • あす9月6日(金) の昼12時30分より、7月24日にBSジャパンで放送された 「まさはる君が行く! ポチたまペットの旅」 の銚子電鉄登場回が、テレビ東京で放送されます。

ポポンデッタNフィギュア 「銚子電鉄で働く人々」 発売中 (9/5記)

  • 9月2日のポポンデッタ商品開発室ブログによると、Nゲージサイズ鉄道模型フィギュア 「銚子電鉄で働く人々」 が発売されたとのことです。

銚電公式ブログの商品・企画等 (9/5記)

三笠鉄道村で銚電のぬれせん販売開始

9月1日、「2014 合格祈願切符」 発売

  • 9月1日(日) より 「2014 合格祈願切符」 が発売となります。今回より30部セット注文の場合、15文字程度のメッセージを券面に印刷する 「オーダー文字印刷」 が可能となりました。

9月6日、夜間撮影ツアー実施予定

9月21日、「鉄コンby銚子電鉄」 開催

  • 竹本新社長肝入りのイベント企画とのことですが、まぁ某氏関連の企画のような気がします。ツアースケジュールに 「13:00 銚子発/13:20 外川駅着」、「17:20 外川駅発/17:35 仲ノ町駅着」 とあるものの時刻表に該当列車は無く、また2000形の1両を貸切とするのか或いは列車全体を貸切とするのかについても不明です。

【再建問題】 6月議会の議事録公開、無茶苦茶な経緯が公けに (9/2記)

  • 9月2日、今年6月に開催された銚子市議会定例会の会議録が公開されました。加瀬庫藏議員は、「2月1日の記者会見で竹本社長が述べた自主再建断念、上下分離方式ということは、北川財団専務理事と野平市長の見解であり、記者会見でそのことを言わなければ支援できない旨の話がされた」、「電車の運行部門や煎餅部門は新会社でということが言われ」、「自主再建断念、上下分離、新会社設立の条件として、銀行からの借金は返さない、踏み倒せと言われた」 等の話を、竹本新社長ほか銚電関係者から聞いたと発言しています。
  • ほかにも議員らから様々な発言があり、想像以上のシッチャカメッチャカ・無茶苦茶ぶりとなっています。興味のある方は、先ずはじっくり読み込んでみて下さい。

【再建問題】 銚子市、4年後に財政破綻する可能性を認める (8/29記)

  • 銚子市は8月28日に開催された市議会全員協議会で、2017年度 (平成29年度) の実質赤字比率が21.59%となる見通しであることを明らかにしました。市町村は実質赤字比率が20%を超えると財政再生計画の策定を義務付けられて財政再生団体となり、財政破綻した自治体として国の厳しい管理化に置かれることになります。平成25年現在、財政再生団体は夕張市のみです。
  • 地方自治体は、税収や国からの交付金等のほか、地方債による借金により予算を組みますが、財政再生団体になると、国 (総務大臣) が財政再生計画に同意しなければ、災害対策など特別に認められたものを除き、地方債の起債ができなくなります。
    地方自治体の予算は借金 (地方債) なしでは成り立たないので、財政再生団体となった銚子市は、何がなんでも国が納得する財政再生計画を策定しなければならなくなり、結果として超緊縮財政を強いられることになります。また、国が納得しても、地方債の起債は、財政再生計画の期間内に償還できる範囲内に限られます。
  • 朝日新聞は、野平市政下に千葉科学大学誘致のための補助金に充てるため起債した市債約77億円が、銚子市の財政を悪化させた主な要因であると報じています。越川信一市長は 「大変厳しい。ゼロベースで市財政を見直していく」 と表明、財政再生団体化を回避するため予算の圧縮を目指すと考えられます。
  • 越川市長の就任により白紙化されたと報じられた銚子電鉄の上下分離案ですが、今回の財政破綻見通しの公表により、導入はほぼ絶望的となりました。
    銚子市の財政危機は野平市政下では良く分からず、市長交代により漸く明るみに出たと一部で言われており、野平匡邦氏が市長選で勝っていれば、あと数年は財政危機が表面化せずに、銚子電鉄が上下分離導入されていた可能性はあります。ただその場合、銚子電鉄は当面は安泰だったとしても、数年後に地獄を見ていたかも知れません。
    分からないのは国土交通省で、財政破綻を承知のうえで、何が策があって上下分離導入を勧めていたのでしょうか。仮に銚子市の財政危機を知らなかったとすれば、国土交通省の担当部局も、数年後には後処理に追われていたかも知れません。
  • 問題は上下分離だけでなく、他の補助金支援も難しくなると思われることです。予算の圧縮を目指す銚子市から多くの補助を受けることは期待出来ず、国土交通省が 「財政破綻する可能性の高い銚子市」 との協調補助に踏み切るかどうかも分かりません。
    また、財政破綻を回避出来る場合でも銚子市は緊縮財政を実行せざるを得ず、仮に市長や議会が銚電支援に前向きだとしても、行政サービスが極端に低下 (夕張市の事例が参考になるかと思います) するなかで、「そんなことより市民サービスを何とかしてほしい」 との銚電支援に批判的な市民の意見が増えると推定されます。
     
  • LINK
    • 横芝光町立図書館blog-- 「銚子市、17年度に破綻も 国管理になる可能性」 という見出しの朝日新聞の記事の存在を確認できます。

 
 

【再建問題】 中古の鉄道車両のお値段 (8/28記)

地方鉄道用の中古車両の導入費用が分かる資料を少々入手しましたので、銚子電鉄のデハ1000形代替車導入の参考資料として記します。

事業者名年度導入車両導入費用備考
両数導入形式改造種車合計平均単価
ひたちなか海浜鉄道H21年度1両ミキ300三木鉄道ミキ3001350万円1350万円三木市の保存車を500万円で購入
秩父鉄道H20年度6両7000系東急8500系1億5980万円2663万円1000系2編成 (6両) の代替車
H21年度3両7500系東急8090系9000万円3000万円1000系1編成 (3両) の代替車
H22年度6両7500系東急8090系1億6000万円2666万円1000系2編成 (6両) の代替車
H23年度9両7500系東急8090系2億4300万円2700万円1000系3編成 (9両) の代替車
H24年度2両7800系東急8090系1億2465万円6232万円1000系1編成 (3両) の代替車、運転室取付工事あり (両側)
H25年度不明秘密不明1000系3編成 (9両) の代替車、3編成分としては異常に低額
富士急行H23年度6両6000系JR205系5億4000万円9000万円運転室取付工事あり (片側)
H24年度6両6000系JR205系5億4000万円9000万円運転室取付工事あり (片側)
H25年度3両不明秘密中古としてはかなり高額、小田急RSEまたは新造?
  • 一部に推定部分があります。また、上記のソースは平成24年度の計画書なので、最新の計画とは異なる場合があります。
  • 平成25年度以降の具体的な導入予定費用については掲載を差し控えます。
  • 表中の車両導入費用は概ね、「中古車両の購入費、整備・改造工事費、輸送費」 を含んだものと考えられます。
  • ひたちなか海浜鉄道のミキ300は、三木鉄道の廃線により保存車となっていたもので、いわば掘り出し物です。
  • 秩父鉄道は平成24年度に7500系(7507F) と7800系(7801F) を導入しているようですが、表中のデータは1000系の代替として導入された7800系のものです。費用の掛かる運転室取付工事 (両端の2両とも) や電装解除工事を行っているためか、1両あたりの導入費用は7500系の2倍以上となっています。
    平成25年度は1000系3編成が引退予定ですが、導入予定費用は1編成が導入できるかどうかといったところで、もしかしたら誤記かも知れません。平成23年度の計画書には、平成25年度の導入予定費用として、7800系3編成分と思われる額が記載されていました。
  • 富士急行について、フジサン特急の代替と思われる平成25年度の3両の導入予定費用は、一般車両なら新造できると思われる額です。「新造観光特急車両」 としてはちょっと安い感じで、中古であれば、豪華車両用としてもかなりの高額です。下廻り中古で車体新造ならこのぐらいかとも思える額ですが、何とも分かりません。
    フジサン特急代替車は、平成24年度計画では3両ですが、平成21〜23年度計画では4両でした。4両計画と3両計画とも、1両あたりの導入予定費用はほぼ同一です。導入は数年前から計画されていたものなので、新造予定から小田急RSE取得への計画変更 (またはその逆) といった可能性もあるかも知れません。

 
 

【再建問題】 第1回協議会と再建計画案について (8/26記)

会議と再建計画案について

概要

7月25日に銚子市より公開された 「第1回銚子電気鉄道運行維持対策協議会」 の情報について、気になるポイントを簡単にまとめてみました。

  • 協議会について
    • 越川信一市長が会議にオブザーバー参加。
  • 5月16日付で小澤康孝委員 (銚子市理事) が退任、5月20日付で宮内智委員 (北川財団専務理事・ミヤベル機工) が辞任届を提出。
  • 協議会自体の運営費用について、国土交通省へ補助申請を行う予定。
 
  • 過去の経緯について
    • 平成19年に成立した内山健治郎元社長との示談は解決済み (平成22年3月までに完済)。銚電側の最終的な損失は約5千万円。
  • 委員より銚子電鉄サポーターズが寄付金を集めた経緯について質問。銚電側は 「集めた寄付金のほとんどは当社に寄付いただいたものと信じている」 と回答するも、未だサポーターズの経理内容は把握出来ていないと説明。
 
  • 上下分離方式について
    • 設立会議 (4月11日) で銚電は、「弊社としては、上下分離方式によりインフラの部分を持っていただ (中略) くことを希望している。」 としていたが、今回の第1回会議では 「上下分離方式による支援をいただけると有難いが、現実的には難しいと思う。」 としている。
 
  • 経営状況について
    • 銚子電鉄の株主は143名、過半数の株を社員が保有。
  • 平成24年度の輸送実績は51万1千人。平成23年度の47万8千人よりは回復したものの、震災前年の平成22年度の61万7千人より10万人以上少ない状況。
  • 東京電力より、当面の運転資金を確保できる賠償金を受領。4月11日の協議会の初会合では 「風評被害への賠償金が入り消費税や固定資産税の支払いに充てることができた」 との説明だったが、今回の資料の方が受領額が多い印象。但し、具体的な額の記載無し (委員へは説明している可能性有り)。
  • 副業部門はコストが嵩み収益性が低下しつつある一方、ぬれ煎餅工場の生産ラインは年間を通じてほぼフル稼働を続けており、売上高は安定的に推移。
 
  • 車両について
    • 平成26年度と27年度に老朽化した車両を更新する必要があるとしている。また、4編成の維持を検討中。
 
  • 再建策について
    • 再建策は3つのテーマにより構成されている。
      1,電車の運行本数を削減し、固定費を軽減
      2,「市民の交通手段」 の確保と 「観光鉄道」 への転換
      3,ぬれ煎餅等、副業事業の拡大
 
  • テーマ1 (減便と経費削減) について
    • 運転本数を33往復から22往復に削減。減便によって予想される乗降客の減少は10%から20%程度 (通勤通学10%・観光客5%・市内移動10%)、収入減は10% (800万円) 程度。(※但し、4月11日の設立会議では、銚電側は 「減便による収入減は最大30%を見込んでいる」 と説明している。平成23年度の運賃収入の30%は約2500万円。)
  • 減便に合わせて保有車両を減らし、年間1000万円のコストを削減。但し、減便は実施するとしても、現行どおり4編成体制を維持する方向で検討中。
  • 減便に合わせて運転士を6人体制から4人に削減、笠上黒生駅の勤務時間の見直しと仲ノ町駅の勤務体制の見直しにより駅員を削減。
  • 運賃値上げを含む営業努力により、年額800万円の収入増。
 
  • テーマ2 (市民の交通手段の確保と観光鉄道への転換) について
    • 市民ニーズの把握による乗客の掘り起こし。
  • ディズニーランドの鉄道を目標とした接客力の向上。
  • 規則及び規律を見直し、勤務態度など労務管理を徹底。
  • サービス業であることを必要執務態度として取り入れ。接客に関する講習会へ全員参加し、5S活動を徹底。
 
  • テーマ3 (副業事業の拡大) について
    • 工場の増設・移設や生産の外部委託等による濡れ煎餅の増産、「OEM供給された銚子の産品の銚電ブランドでの販売」 などを含む新商品の開発等により、年間5億円を当面の目標に副業部門の売上を増加。
 
  • 再建資金について
    • 銚電側は、千葉県中小企業再生支援協議会の係わりにより経営再建計画が策定されれば、債務の整理や新規融資等が期待できるとの認識。銚子信用金庫は、再建計画が策定されれば 「実現性と公平性という観点に立って検討が進められることとなる」 と説明。
  • 国土交通省は 「鉄道事業で収益をある程度確保することが銚電のあるべき姿」 との認識を示した上で、上下分離や協調補助等の制度の用意があることを説明。
  • 北川財団からの資金援助については記載無し。
 

今後に注視すべき問題点

再建計画(案) のうち、特にチェックすべき今後の問題点を、先にリストアップしておきます。理由はあとで、長々と説明します。

  • 減便と運賃値上げは、「市民ニーズの把握による乗客の掘り起こし」 に反するのではないか。
  • 減便による乗客減少率と運賃減収額は、本当はどの程度を予想しているのか。またその予想は、どのような根拠に基く試算なのか。
  • 減便は、運賃収入と売店収入の減少を差し引いて、本当にコスト削減となるのか。
  • 減便により、「銚子市に来なくなる観光客」 と 「銚子市には来るが銚子電鉄には乗らなくなる観光客」 が、どのくらい発生するのか。また、回遊性の低下による観光業界への影響は、どの程度か。
  • イベント列車の運転により、「銚子市に来る観光客」 と 「銚子電鉄に乗る観光客」 を、どのくらい集客できるのか。その集客力は、「減便により減少する乗客、観光客、運賃収入、売店収入」 を補い得るものなのか。
  • 減便を伴わない 「貸切車両方式」 のイベント列車は、「貸切列車方式」 と比べて著しく集客力が劣るのか。
  • 減便により、休日などの多客時に、1つの列車に大量の観光客が詰め込まれたり、乗客が乗り切れず積み残されるような事態とならないか。
  • 『「笠上黒生駅」 の勤務時間の見直し』 とは、減便時間帯に笠上黒生駅の無人化と併合閉塞の再導入を行うことを意味するのか。これにより、正面衝突事故が再発する危険性はないのか。
  • 運転士や車掌に他の業務を兼務させることは、事業改善命令に係る国土交通省の指導に反しないか。
  • 運転士と駅員を削減し、過度に接客力を求める再建計画(案) は、鉄道職員の確保とノウハウの継承に支障とならないか。
  • 小川前社長の証言付きでメディア報道されている 「銚子電鉄クーデター計画」 は、今後の銚子電鉄の安全性維持向上に支障となる恐れがあるのではないか。
  • 市や協議会は、「正面衝突事故の原因」 と 「事業改善命令が発令された経緯」 について、十分に把握しているか。
  • 市や協議会は、「お金を出してハードウェア (設備) を改善すれば、銚子電鉄の安全は確保される」 と誤解していないか
  • 市や協議会は、「小川文雄社長の退任により大きく変わった新経営陣の下での銚子電鉄」 について、「乗客増減の予測能力を含む経営企画力、危険個所の把握能力や対策の立案能力を含む安全管理能力」 が十分であると捉えているか。
  • 「銚子電鉄の新経営陣に、十分な経営企画力や安全管理能力が無い」 ことが判明した場合、市や協議会自身が新経営陣に代わって、銚子電鉄の再建に主導的に取り組めるのか。
     
 

減車・減便危機について

減車・減便危機とは何だったのか?

  • 減車の中止について
    銚電側は今回の会議で、「現行どおり4編成体制を維持する方向で検討している。」 と説明しています。
    また、「老朽化した車両を、平成26年度と平成27年度に更新する必要がある。」 とも説明しており、平成27年度の更新とは、 「引退予定だったデハ1001(銀座線色) の検査を平成25年度に実施して、2年後までに代替車を導入・更新して平成27年度に引退する」 という意味かと思われます。
    「よっしゃ、これで減便にならずに済む!」 かと思いきや、そうはなりませんでした。
     
  • 減車・減便の理由の変更について
    設立会議 (4月11日) で銚電は、資金難で車両更新できないことを理由に、「4編成から3編成に減るため、今年の夏以降は減便せざるを得ない。」 と説明していました。しかし今回示された5月30日付の再建計画(案) では、3つの再建テーマの一つに 「電車の運行本数を削減し、固定費を軽減」 と掲げています。
    どういうことかと言うと、4月の時点では 「車両が3編成しか確保出来ないから減便する」 としていたのに、今回は 「減便してコスト削減をするため車両を3編成に減らす」 としており、減車と減便の関係について、「原因と結果」 がひっくり返ってしまっています。つまり、減車と減便の理由がサラッと変更されている訳です。
    ココ重要なポイントなのですが、減車・減便の理由変更について委員は気付いていないのか、或いは協議会全体がこの件について注視しながら触れないようにしているのか、公開された議事録に委員の反応についての記載はありません。
    さらに銚電側は、「定期検査のローテーションや故障時の対応を考慮し、現行どおり4編成体制を維持する方向で検討している」 としています。「車両は減らさないが減便は実施する」 ということになり、つまり 「固定費軽減によるコスト削減にはならないが、減便は実施する」 ということで、もう何のために減便するのかさっぱり分かりません。
     
  • 減車・減便危機とは何だったのか?
    結論から言って、減車危機も減便危機も存在しませんでした銚電は4編成体制を維持出来たのであり、コスト削減のため3編成に減車するのは経営判断であって、「銚電の判断ではどうしようもない危機」 ではありません。減車危機が無ければ減便危機もある筈は無く、減便するのもまた危機ではなく経営判断に過ぎません。
    じゃあ、「車両が足りない、夏には減便、来年秋には運行停止だぁ〜!」 と騒いでいたのは一体何だったのかというと、銚子市民やマスコミに必要以上に経営危機をアピールして、上下分離方式導入の同意を早期に取り付けようとする魂胆だったのではないかとの感が拭えません。
    狙い通りなのかどうか、マスコミや鉄道ファンは減車・減便危機ネタに良く喰い付いてくれたようですが、新経営陣がこんなことを続けていては 「死ぬ死ぬ詐欺、廃線商法」 などと批判されても仕方がないでしょう。車両修理代が無いと赤裸々に実情を明かし、ぬれ煎餅を購入して下さいとホームページで必死に訴えていた謙虚な銚子電鉄は、いったい何処へいってしまったのでしょうか?
     
  • 市長交代で仕切り直し・・・なるか?
    まあ、過ぎたことは言っても仕方ありません。4月の設立会議は野平市政下でしたし、市長は越川信一氏に代わりました。噂のあった委員も辞任したし、今回の会議で4編成体制の維持を表明しているのも、野平市政に合わせた再建姿勢からの脱却を暗に示しているのかも知れません。
    さぁ、市長も代わったことだし、気分を一新して新たな再建策を・・・と思いたいところですが、そうもいきません。訳の分からない減便案が、何故か残っているからです。
 

減便による得失

  • 試算の前提
    5月30日付の再建計画(案) には、減便によるコスト削減額と収入減少額について、「車両の削減によって年額1000万円を削減 (点検費・修繕費・減価償却費・固定資産税等)」、「運行本数の減少によって年額800万円の収入減」 と記されています (18ページ目)。
    平成23年度の運賃収入は8453万8千円なので (6ページ目)、「年額800万円の収入減」 というのは収入減少率が9.5%と想定されていることになります。ここでは 「収入減少率10%、収入減少額800万円」 としておきましょう。
    減便によって予想される乗降客は、通勤通学客が10%程度、観光客が5%程度、市内移動が10%程度で、トータルで10%から20%程度の乗客が減少するとしています (16ページ目)。ここでは上記の収入減少率10%に合わせて 「乗客減少率10%」 としておきます。
    輸送実績は、「再建計画書 《補足資料》」 では平成23年度が47万8千人、24年度が51万1千人となっており (5ページ目)、その10%は 「4万7800人または5万1100人」 です。ここでは切りの良いところで 「乗客減少数5万人」 としておきます。
    さて、「乗客減少率10%、乗客減少数5万人、収入減少率10%、収入減少額800万円」 を前提として、減便による影響を見てみましょう。なお、乗客減少率と収入減少率を同一として良いのか分かりませんが、ここでは両者は連動するものとして扱います。
     
  • 200万円の節約のために5万人の乗客を失う
    上記を前提とすると、車両の削減によって1000万円を削減できるかわりに収入が800万円減るので、差し引き200万円が節約できます。そのかわり、5万人の乗客を失うことになります。
    ローカル鉄道の最大懸念は乗客の減少で、どこでも乗客を増やすことに苦労しています。僅か200万円を節約するために 「10%・5万人の乗客」 を失うことに、いったい何の意味があるのでしょうか?
     
  • 直販の売上減少で節約分は吹き飛ぶ?
    銚電のぬれ煎餅で最も収益率の良いのは、オンラインショップと駅 (犬吠駅売店ほか) で行われている銚電による直販です。乗客が減るということは犬吠駅に来るお客さんが減るということで、売店の売上げが落ちるということです。
    実際はいくらなのか知りませんが、仮に乗客一人あたり平均100円を使っているとすると、5万人の乗客減少で売店の売上げが500万円下がることになります。うち利益がいくらなのか分かりませんが、減便で節約した200万円を超えてしまう額になる可能性も否定できません。
     
  • 4編成維持で節約どころか損失拡大!
    また、今回の会議で銚電は 「現行どおり4編成体制を維持する方向で検討している。」 と説明しています。つまり、車両の削減によるコスト削減効果が0円になる訳で、収入減少額がそのまま損失となります。加えて、乗客を失います。「収入減少額800万円、乗客減少数5万人」 となり、費用節約どころか、損しかありません。
     
  • 減少率20〜30%なら、どうなる?
    上記の試算は、乗客と収入の減少率が10%とした場合のものです。では、減少率が20%や30%ならどうなるでしょうか。5月30日付の再建計画(案) には 「減便により10〜20%の乗客減少」 と記されていますし (16ページ目)、4月11日の設立会議の質疑応答で銚電は、「減便による収入減は最大30%を見込んでいる」 と説明していました。
    乗客減少率と収入減少率が20%の場合、収入減少額は1690万円で、車両を1編成減らしても690万円の損失です。加えて、10万人の乗客と売店収入の20%を失います。
    乗客減少率と収入減少率が30%の場合、収入減少額は2536万円で、車両を1編成減らしても1536万円の損失です。加えて、15万人の乗客と売店収入の30%を失うことになります。
    4編成体制を維持する場合、20%の減少で損失額は1690万円、30%の減少で損失額は2536万円となります。もう、減便で節約がどーのというレベルの話ではありません。
     
  • 減便にコスト削減効果なし
    5月30日付の再建計画(案) を元に試算すると、上記のとおり、4編成体制を維持する場合でも、また車両を1編成減らして3編成体制とする場合でも、減便にコスト削減効果などはなく、逆に赤字が拡大することが分かります。
    減便に妥当性があるのは唯一、どうしても4編成体制を維持することが出来ない場合のみです。なのになぜ、銚電は減便しようとしているのでしょうか。その動機を考える前に、まずは協議会に減便を認めさせようとする数字のトリックについて見てみましょう。
 

数字のトリック

  • おかしなおかしな減少率
    銚電は減少率について、4月11日の会議で最大30%、5月30日の会議で10〜20%としており、収入減少額 (800万円) については対H23年度比で減少率を9.5%として算出しています。このバラバラな減少率は、いったい何を意味するのでしょうか。4月当時と5月当時で、「銚電と銚電を取り巻く勢力のうち、上下分離と減便の導入を望む勢力」 の戦術が変わったとすると、ある推定が浮かび上がります。
     
  • 野平市政から越川市政へ
    4月11日当時は野平市政下で、市と銚電は早急に上下分離方式を導入したいと考えており、「早期に支援を始めないと銚電は4編成体制を維持できず、減便により収入が最大30%も減少してしまう!」 と減車・減便危機を叫ぶことで必要以上に経営危機をアピールしました。また、上下分離導入が決定するとしても、今年の夏までの新車 (代替車) 導入は間に合わず、減便という目的も叶うはずでした。
    ところが市長は越川信一氏に代わって上下分離導入は白紙状態となり、越川市長はダイヤを維持するために早急に支援を行う考えを表明 (2013.6.1のMSN産経記事)、減車危機が存在しないこともバレてしまいます。仕方なく銚電は4編成体制維持の検討をすることになり、減便の必要性は無くなりました。
    上下分離導入が困難となった 「上下分離・減便派」 は、何としてでも 「減便したい」 という目的だけは守ろうと、戦術を変化させることにしました。
     
  • 「大変だ〜」 から 「たいしたことありません」 へ
    車両は4編成あるので、減便するなら他に理由を用意しないといけません。そこで、コスト削減効果を減便の理由とすることにしました。でも、減少率30%なら約2500万円の損失、減少率20%なら約1700万円の損失となり、コスト削減効果を主張できません。
    減少率10%なら何とかなりそうですが、4月11日の質疑応答で最大30%と説明しちゃっているので、今さら急に 「減少率は10%だけで済みます」 とは言えません。4月当時は 「減便で乗客が30%も減少する、大変だぁ〜!」 と言っていたのに、今度は 「減便してもそんなに乗客は減りませんし、たいしたことありません。減便した方が得なのです。」 と説明する必要性に迫られたのです。
     
  • 数字の誘導
    困った 「上下分離・減便派」 は、再建計画(案) に様々な減少率を記すことで、読み手を混乱させることにしました。まず、16ページ目に 「通勤通学客10%程度、観光客5%程度、市内移動10%程度減少」 と記します。旅客割合は各層ごとに異なるので全部足しても25%にはなりませんが (因みに、平成23年度の定期券収入は全体の15%程度で、定期客が10%減少しても収入減は1.5%)、一見、25%の乗客減少かと錯覚します。これで 「4月11日の質疑応答で説明した最大30%とあまり大きくは異ならない」 と読み手が錯覚することを期待できます。
    次に、同16ページ目にトータルの減少率が 「10〜20%」 であると記し、何気に 「10%」 という数字をぶっ込みました。減少率が 「対H23年度比で10〜20%」 なら、収入減少額は845万円から1690万円です。ここでは躊躇なく減少率10%を元に計算した減少額を選択し、845万円の端数を切り捨てて、18ページ目に 「運行本数の減少によって年額800万円の収入減」 と記します。
     
  • 見掛け上のコスト削減効果
    さあ、これで 「2536万円の収入減少、売店収入の30%と15万人の乗客の喪失」 という 「収入減30%の大変な事態」 から、「減少率が10%で800万円の収入減少、乗客の減少は5万人」 という 「たいしたことない事態」 へと印象を変えることが出来ました。
    でもまだ、損失が800万円もあるのでコスト削減効果を主張できません。そこで、「4編成体制維持はまだ検討中」 ということにして、「車両の削減による年額1000万円の節約分」 を計算に入れることにしました。ここまで数字を弄ってようやく、僅か200万円ですが減便によるコスト削減効果を主張することが出来ます。
    因みに、再建計画(案) の15ページ目に記載されている減便ダイヤでは運用編成が2編成 (つまり4編成の保有が必要) なので、ここで 「車両削減による節約分1000万円」 を計算に入れる行為自体がダウトです。
     
  • 次なる言い訳と、試算根拠の提示要求
    銚電の示す減便による減少率は、30%から10%まで3倍もの開きがあります。これについて 「上下分離・減便派」 は今後に、「減便の影響について詳細に検討する時間的猶予が無かった」 と言い訳し、「十分に検討した結果、減便による減少率は10%程度で影響は軽微」 として減便ダイヤ導入を求めるのではないかと思われます。
    「上下分離・減便派」 の言い訳を許さないためには、そもそも30%から10%までの減少率はどのようにして試算したのか、その根拠を提示することを求めることが必要かと思われます。また、減少率に20%もの誤差、つまり乗客減少数の予測に10万人もの誤差のある、杜撰な試算に基いている再建計画 (案) についても、追求されて然るべきでしょう。
     
  • 減便ダイヤのトリック
    数字のトリックは減少率だけではありません。再建計画(案) の14ページ目には、『運転間隔 「30分」 → 「45〜60分」』 と記されています。しかし減便ダイヤ (15ページ目) を見ると、運転間隔が70分前後となる時間帯が4つもあります (10時台に70分、正午前後に69分、15時台に70分、終電前に75分)。
    「始発直後と終電前だけ例外」 というなら分かりますが、「真っ昼間に70分間も列車が来ない時間帯が3つもある減便ダイヤ」 を作っておいて、「運転間隔は45〜60分」 という説明はおかしいでしょう。しかもこの3つ、「ホテルのチェックイン・チェックアウト時刻と昼の飯時前」 という重要な移動時間帯に、見事に被っています。
    ホテルから出て市内観光へ向かったり、市内観光を終えてホテルに向かったり、昼飯を食べるために移動する時間帯に、70分間も列車が来ないのに、「運転間隔は45分から60分なので減便しても不便にはなりませんよ〜」 と銚電側は言っている訳です。
 

そんなに減便したいのか?

  • 減便したい理由の推定
    「上下分離・減便派」 は、なぜそこまでして減便したがるのでしょうか。その理由を推定してみましょう。
     
    1) 実は、乗客を減らし、銚電を潰すための策略。
    2) 銚電の赤字を拡大させ、ぬれ煎餅事業の売却を迫るための策略。
    3) 銚電の乗客を数十年間にわたり狙ってきた競合交通機関の策略。
    4) 内部紛争で、減便を名目に鉄道職員を配置転換・解雇するための策略。
    5) 銚子市民に危機をアピールした手前、今さら 「減便危機は無かった」 とは言えない関係者の世間体を守るための方策。
    6) 銚子市民に今後も経営危機をアピールし続けるための演出。
    7) 減便を実行して市民生活や観光業界にダメージを与え、銚電の必要性を銚子市民に納得させるための 「影の社会実験」。
    8) 減便したほうが銚電のためになる、それが分かっていないここの wiki の管理人がバカなだけ。
    9) イべント関連の企業やグループ、イべント企画料やプロデュース料や協力金・謝礼金等の名目で利益を得る個人など、イベント列車の運転により利益を得る利害関係者による要望。
    10) イベントが好き。イベント企画者として世に出たい。減便してダイヤを空けて、好きなときにイベント列車を走らせたい。30%の減少で年間2500万円の赤字が出ようが、その赤字が銚子市の重い負担となろうがどうでもいい。15万人の乗客が減ろうが、それにより観光客が減って銚子の観光業界のダメージが大きくなろうがどうでもいい。とにかくイベントがしたい、そんな 「頭ん中がお花畑のイベント派」 の単なるワガママ。
     
  • 上記1〜3は、いつものことなので置いておきます。4について、銚電内部の状況が分からないので何とも言えませんが、鉄道業界を含め世間ではよくある話なので、「全く可能性が無い」 とは言い切れません。
  • 5や6が理由なら、一部の市民や議員が本気で怒り出して批判を始めるかも知れません。7について、社会実験をしたいなら民主的なコンセンサスを経るべきですし、存続の必要なしとの実験結果が出るかも知れません。また、実験後に元へ戻すための職員の確保に係る配慮が見られませんし、「影の社会実験」 を仕掛けるだけの能力と動機のある企画者が、銚子にいるのかどうかも分かりません。
  • 8について、「減便したほうが銚電のためになる理由」 があるなら是非聞かせて頂きたいものです、合理的理由を示せるとは思えませんが。
  • 9について、銚電周辺の実情は分かりませんが、特定事業分野 (イベント等) に利害関係のある個人や企業等が、特定事業の実施 (イベント列車の運転等) に絡んでいるとしても、世間では何の不思議も無い出来事でしょう。特定事業関連の個人や企業は、行政が 「特定事業の実施」 にいくら無駄に出費をしょうが、それにより利益を得ることが出来るなら、事業の実施を望むのが一般的です。
  • ここでは特に、10のイベント派について考えてみたいと思います。
 

イベント至上主義は銚電を救うか?

  • イベント列車の推定
    減便ダイヤ案を見ると、ホテルのチェックイン・チェックアウト時刻の運転間隔が70分間隔となっています。この時間帯にホテル客のみが乗車できる専用貸切列車 「お見送り列車」 や 「ウェルカム・トレイン」 を運転すれば、ホテル客には喜ばれるかも知れませんね、乗車要件に満たない宿泊客や一般乗客にとってはサービスダウンで迷惑なだけですが。
    11時台に69分、12時台に58分の運転間隔があり、この時間帯には貸切専用列車 「ランチトレイン」 が走るかも知れませんね、でも一般の観光客は目指す飲食店への移動の機会を逸してしまうかも知れません。
    銚子発の減便ダイヤ案があれば、もっと色々と推定できるのですが、残念ながら再建計画(案) には外川発の減便ダイヤ案しか掲載されていません。「色々と推定されては困る」 というので無ければ、早急に銚子発の減便ダイヤ案を公開して頂きたいところです。
     
  • フリークエントサービスの喪失
    イベント列車は、乗客や観光客を増やしたい地方鉄道により運行される事例が増えています。たいていの地方鉄道は元から運行本数が少なく、イベント列車を運転したからと言って減便されることはありません。
    しかし銚電では、日中でもほぼ30分ごとの運転間隔となっており、イベント列車として貸切専用列車を走らせることは出来ません。逆に言うと、地方鉄道にしては珍しく、非常に便利なダイヤが守られてきたのです。貸切イベント列車構想は、銚電のフリークエントサービス (頻繁運転による高い利便性 ) を犠牲とするものです。
     
  • 回遊性の低下
    フリークエントサービスの低下は、銚子市民による銚電離れを起こすだけに留まりません。
    銚子駅周辺へ出張に来たビジネス客や、飯沼観音参りの観光客が、帰りにフラッと犬吠埼に寄っていこうと思っても、電車の待ち時間が長ければそのまま帰ってしまうかも知れません。また犬吠埼のホテル客も、電車の待ち時間が長ければ銚子駅周辺での買い物を諦め、犬吠埼のバス停から直接に高速バスで帰ってしまうかも知れません。
    運転が30分間隔なら、フラッと犬吠埼へ向かおうとする観光客は、30分間隔の時刻表をチラッと見ただけで 「電車は頻繁に走っている」 と安心して、ゲタ電感覚で手軽に銚電に乗ってくれます。しかし、運転間隔が45〜70分となれば、犬吠埼からの帰りの電車がJR線の列車に間に合うかどうか不安になり、時刻表を調べて大丈夫なことを確認できなければ乗らないか、或いは時刻表を調べもせずに帰ってしまうかも知れません。
    「銚子へ来る観光客」 の数が同じでも、減便ダイヤにより市内の回遊性が低下すれば、観光業へのダメージが増える可能性があります。「回遊性確保のために観光客への市内バス路線の案内周知を強化する」 なんて言い訳を銚電が始めたら、競合交通機関への利益誘導を疑ってみましょう。
 
  • 観光客を捌くだけの輸送力があるのか?
    減便ダイヤでは、輸送力についても疑問があります。減少が続いたとは言え、日によっては車内にそこそこの観光客が乗車するときがあります。減便ダイヤを導入すると、「2本の列車にそこそこ乗車している観光客」 を、1本の列車に詰め込まなければなりません。「観光客が詰め込まれる列車」 は運が良ければ2両編成ですが、運が悪ければ1両しかありません。
    運転間隔が45分程度ならまだ良いのですが、「都心から観光客がやって来たり、観光客が目的の昼飯を食べるために移動したり、観光客が都心へ帰って行く時間帯」 の運転間隔は70分です。「特に観光客が移動する時間帯」 に特に運転間隔が長く、結果として観光客は長く待たされた上に狭い車内に詰め込まれて、不快な思いをすることになります。「のんびりローカル線」 の風情を味わう余裕もありません。
    「もとから観光客が少ないので詰め込まれても問題はない」 のかも知れませんが、観光客がたまたまスシ詰め列車に乗ることになったら、もう次は銚子に来るのをやめようと思ってしまうかも知れません。「スシ詰め」 とはならなくても、着席機会は下がるでしょう。貸切イベント列車構想は、観光客の満足度を下げてしまう可能性があるのです。
     
  • 減便せずともイベント列車は運転できる
    実は、減便せずとも貸切イベント列車は運転できます。貸切の単位を 「列車」 ではなく 「車両」 とすれば良いのです。
    2000形電車(元京王車) は2両編成なので、1両を一般客用とし、もう1両を貸切状態にしてイベントをすれば良いのです。「プライバシーが保てない」 というのであれば、連結部分にドアを設置すれば良いでしょう。また、老朽化した1000形(元営団車) の代替を1両編成の車両とし、イベント時に2両を繋げて走らせればプライバシーは保てます。
    貸切車両よりも貸切列車のほうがお客の満足度は高いし、マスコミの注目も高まるし、イベント企画者としての評価も高まるかも知れません。でも、経営危機の真っ只中にある銚電にいま必要なのは、身の丈に合った再建策です。イベント列車が銚電を救うというのであれば、まずは減便せずに貸切車両方式でイベント列車を運転して、実績をつくってみては如何でしょうか。
     
  • 15万人の乗客と引き替えにする意味はあるのか?
    「イベント列車を走らせれば観光客が増える!」 と勘違いしがちですが、銚電は 「15万人の乗客 (減少率30%の場合) を減らしてでもイベント列車を走らせる」 という、とんでもない再建計画を提示しています。イベント列車の運転により、雑誌やテレビで採り上げられる機会は増えるかも知れませんが、「マスコミ効果により、減便で失われる乗客15万人より多くの乗客を取り戻して観光客を増やす」 というのは、余りにリスクが大きい賭けでしょう。
    イベント列車に、15万人の乗客と引き替えにする意味が本当にあるのでしょうか?
     
  • イベント至上主義者は本当にいるのか?
    犬吠埼の幾つかの宿泊施設が廃業に追い込まれるなど、震災後の銚子の観光業界は大変な状況にあり、観光イベントにかける銚子市民の期待は非常に切実であると思われます。そんな切実さに漬け込み、「効果に対して非常に負担の大きく、下手すると逆に観光客が減ってしまう恐れのあるイベント企画」 を、リスクも十分に説明せぬうちに自身の望みのままに押し進めようとする 「目的と手段が引っくり返ってしまったようなイベント至上主義者」 が、本当に実在するのでしょうか。
    「そんなとんでもない人物が銚子にいるわけない」 と思う人もいれば、「思い当たる人物がいる」 と思う人もいるかも知れません。この件はまだまだ長くなりそうなので、機会があれば別に記すことにします。
     
 

蔑ろにされる安全性

人的要因 (ソフトウェア) による安全性の問題

  • 安全対策の計画なし
    驚くべきことですが、5月30日付の再建計画(案) には、安全性維持向上のための計画が全く記載されていません。22ページ目に 「むこう10年間安全対策等については、多額の資金が必要」 とあるのが 「安全対策」 という単語の唯一の使用例で、しかも 「補助金の受給」 に係る記載であり、具体的にどのような安全対策をするのかについて、一切の記載がありません。
    過度に 「銚子電鉄は危険」 と思われてはいけないので、これまでは書きませんでしたが、「存在しない減車・減便危機を煽ったうえ、まだ減便をしようとしている件」 を含めて、再建計画(案) の内容があまりに酷いので、ここでは特に銚子電鉄の安全性に注視して、再建計画(案) の問題点を見ていきたいと思います。
     
  • 事業改善命令の本当の理由
    「再建計画書 《補足資料》」 の6ページ目の 「当社が窮地に陥った事情」 には、「老朽化した鉄道設備に関し、国土交通省 (関東運輸局) より安全確保に関する改善命令が発令された」 と記されています。この記載は間違いではありませんが、記載すべきことの半分を記していません
    事業改善命令が発令された本当の理由は、「施設の老朽化」 という物的な理由と同等以上に、「教育・訓練、施設管理、実務 (厳正な閉塞取扱い等) に係る安全管理体制の欠如」 という、人的な理由に因るところが大きかったのが実情です。国土交通省の公式HPで情報が公開されているにも拘らず、未だこの件についての報道は見当たらず、個人HPやブログでも書くことはタブー視されているようです。
    メディア報道やインターネット情報を追っても知ることは出来ませんが、事業改善命令が発令された当時の銚子電鉄には、ハードウェア (物的要因) だけでなく、ソフトウェア (人的要因) にも重大な問題があったのです。
  • 接客力を執拗に求める再建案
    5月30日付の再建計画(案) には安全性維持向上計画の記載が無い一方、運転士や駅員を削減するとしています (17ページ目)。また、「労務管理の徹底」 として勤務時間や勤務態度の管理体制強化を打ち出し (17ページ目)、「接客力の向上」、「接客に関する講習会への全員参加」、「5S活動を徹底」 など接客態度を重点的に向上させるとしています (24ページ目)。
    残念ながら銚電の接客に問題のある事例があるとは聞きますし、接客力の向上は必要かも知れませんが、鉄道職員に求められる第一の能力は 「安全に鉄道を運営出来る能力」 です。「運転士や駅員の削減」 を計画しながら、これにより低下が危惧される銚電の安全性を維持するための方策が何も記されていない再建計画(案)を見るに、「これを策定した人物は銚子電鉄の安全性の維持に関心が無いのではないか」 と思わずにはいられません。
     
  • 減便・イベント派にとっても嬉しい運転士削減
    実は、減便・イベント派にとっても鉄道職員の削減は好都合です。運転士を削減すれば減便せざるを得ず、また運転士削減によるコスト節約で 「減便によりこれだけのコストを削減できる!」 とアピールできるからです。
    一方で、減便・イベント派にとって困るのが車内サービスを行う車掌の削減ですが、再建計画(案) の17ページ目には 「車掌は削減せず」 と記されています。今回の会議で 「ワンマン化はされていないのか」 との委員の質問に対し、銚電側は 「一部車両はワンマン化されている」 との事実と異なる説明をしています (車掌は混雑対策として乗務することがありますが、銚電の車両は4編成ともワンマン化工事を完了し、国土交通省からもワンマン運転を行うことを認められています)。
    新経営陣のもとでの銚電は、減便ダイヤ導入を確実にする運転士の削減については積極的な一方、車掌の削減については協議会に事実と異なる説明をしてまで阻止しようとしており、その行動は減便・イベント派の意向に沿っているように見受けられます。
     
  • 再建案で職員とノウハウを確保し続けられるか?
    イベント列車のためなのか、憑り付かれたように接客力の向上を職員に求めたり、管理体制強化による締め付け案を示す一方、「人員削減による安全性の低下」 を防止するための方策を一行も示さない再建計画(案) で、本当に銚電の安全は守れるのでしょうか。
    近代化費用を国や県や市が負担するなどにより物的要因はお金で解決できますが、人的要因はお金で解決できるとは限りません。また、人的要因はお金で解決できるとは限りませんが、解決のためにはお金が必要です。銚電から離れた乗客を取り戻すのは大変ですが、いちど銚電から離れた職員やノウハウを取り戻すのは、もっと大変かも知れません。
    公式ホームページに緊急報告が掲載された当時、銚電では給料の遅配が発生し、生活費のために別の仕事を掛け持ちした事例もあると聞きます。残業代が出るかどうかも分からないのに、ぬれ煎餅を焼いてまで電車を動かそうと奮闘していた鉄道職員を削減しようとする新経営陣は、これからも職員とノウハウを確保し続けられるのでしょうか。
    仮にイベント列車の運転と引き換えに、「便利なダイヤと多額の運賃収入と数万〜十数万の乗客と、簡単には替わりが手に入らない貴重なノウハウを持つ古参職員」 を手放そうとしているとすれば、新経営陣の下での銚電は、いったい何所へ向かおうとしているのでしょうか?
     
  • 銚電クーデター計画との関連
    銚子電鉄サポーターズの結成が小川文雄社長(当時) を追放しようとする銚電クーデター計画の一環だった経緯もあり、職員削減計画や過度な接客力向上計画が、実は銚電クーデター計画の延長であって、小川前社長と関係が良好だった職員の追放計画なのではないかとの疑念が拭えません。現時点で 「職員の追放計画」 の実在を確認できるだけの情報はありませんが、前社長の追放計画は、小川文雄氏の証言付きで ITmedia社より報じられているところです。
  • 安全対策上の障害として捉える必要性
    保安監査で不備を指摘されはしましたが、安全対策の責任者がイベントごっこに熱中して運転保安の教育すら放棄する職場環境のなかで、正面衝突事故以降に大きな事故を起こさず日々の運行を担ってきたのは銚電の鉄道職員です。
    仮に、銚電クーデター計画の延長として職員追放計画が画策されているとすれば、「クーデター派は自身の勢力の拡大という私的目的により、安全性維持向上に必要なノウハウを持つ古参職員を追放し、銚電を危険な状態にしてしまう恐れ」 があります。
    つまり、今後の銚電に事故を発生させる要因となる恐れがあるので、この問題は、ただ 「経営や労使関係としての銚電の内部問題」 という認識に留めず、「銚電の安全対策上の障害」 として捉え、状況を把握する必要性があるかも知れません。
 

協議会委員の認識

  • 兼務について
    委員より、運転士や車掌に他の業務を兼務させて合理化すべきとの意見があり、銚電側もこれについて 「検討したい」 と回答しています。また、委員は保線作業について、「これだけの社員がいて、なお外注しているのか」 と発言しており、あたかも銚電職員が十分に働いていないかのような認識を持っているように窺われます。
    しかし、運転士や線路工手などの現業部門の鉄道職員に兼務をやめさせ、無理のない勤務シフトを組むため増員を行ったのは、国土交通省による強い指導によるものです。
     
  • 国土交通省の指導
    平成18年に事業改善命令が発令された当時、銚電の保線従事員は僅か2名しかおらず、また線路工手は2名とも補助運転士を兼務して列車に乗務しており、一週間ごとの線路の巡回さえ規定どおり行えない状況でした。さらに、本務運転士と線路工手が自身の多忙な業務のなか、ぬれ煎餅の配達までしていることを保安監査で確認した国土交通省は、これでは危険極まりないとして、副業の手伝いなど他の業務との兼務を鉄道職員にさせないよう指導する事態となりました。
    どうも委員の方々は、地元の町の公共交通機関に事業改善命令という極めて厳しい行政処分が下された経緯の基本的な情報についてご存知ないようで、銚電側も鉄道職員に負担を掛けないことの必要性について、十分に委員へ説明していないように見受けられます。
  • 情報は十分に共有されているか?
    銚電は上り銚子にあやかった合格祈願切符を以前から販売しており、最近は鉄道ファン向けのデザインの異なる記念切符をイベントごとに多品種作っていますが、委員からは 「付加価値をつけて切符を売ることも必要ではないか」 との意見が出ており、この点でも銚電の取り組みは、委員の方々に知られていないようです。
    経費削減のための合理化は心要で、可能な範囲での鉄道職員の兼務は検討されてもいいとは思いますが、それ以前に、銚電と協議会委員との間で、必要な基本的情報が共有されているのかどうか疑問に感じるところです。
     
  • 委員の意向に乗じた職員削減
    再建計画(案) の17ページ目には 『運転手は 「6人体制」 →「4人」 に削減』 及び 「駅員の削減」 と記されており、鉄道事業の基幹である職員を、銚電自らが削る意向を示しています。協議会委員は運転手や駅員の削減を求めている訳ではありませんが、銚電の新経営陣は、「委員が職員の合理化を求めている」 ことに乗じて運転手と駅員を削減するため、「国土交通省の指導により鉄道職員を増員し、兼務をさせないようにした経緯」 を協議会へ十分に説明していない可能性があります。
    職員の削減案のなかでも特に、『「笠上黒生駅」 の勤務時間の見直し』 は驚きです。削減ダイヤで列車交換 (上下列車の行き違い) の無い時間帯に、笠上黒生駅の無人化と併合閉塞の再導入でもするつもりなのでしょうか?
 

正面衝突事故の教訓は生かされるか?

  • 正面衝突事故以降の安全対策は維持されるのか?
    平成7年6月24日に銚子電鉄で発生した正面衝突事故は、誤った併合閉塞の導入と、事故発生の時間帯に笠上黒生駅に駅員がいなかったことが事故原因でした。(巷では運転士の勘違いが主因とされていますが、それは間違いで、某役所と関係者が運転士ひとりに事故責任を押し付けて手打ちにしてしまった感があります。銚電の存続の妨げになってはいけないので書くことを控えていましたが、銚電の安全性を低下させる再建計画案が通るようなら、詳細を明らかにする必要性があるかも知れません。)
    この事故以降、銚電は併合閉塞を取り止め、笠上黒生駅に始発から終電まで駅員を置くことになりました。しかし、あろうことか鉄道部次長(当時) の向後功作氏がイベントごっこに熱中して社員教育を放置。列車追突などの重大事故がいつ発生しても不思議ではない状態だったことが平成18年の保安監査で発覚し、事業改善命令が発令される要因の一つとなりました。
    その後の国土交通省の指導により銚子電鉄の安全性は保たれていますが、銚電の職員削減案が 「減便時間帯の笠上黒生駅の無人化や併合閉塞の再導入」 を含むものならば、銚子電鉄の安全対策を正面衝突事故以前に逆戻りさせかねないものです。
  • オブザーバーの国土交通省は必要な助言をしているか?
    第1回協議会には、関東運輸局の職員がオブザーバーとして出席しています。安全対策部門の職員とは違うようですが、過剰に鉄道職員を削減するような議論が行われていれば、安全対策上、適正な数の職員を置くことの必要性を示すなどの助言をして然るべきではないでしょうか。なにせ、兼務をしないよう指導したのは関東運輸局自身です。
    協議会が銚電の安全を脅かすほどの職員の削減を要求し、銚電の新経営陣が委員へ必要な説明をせずにこれ幸いとコスト削減に走り、オブザーバー参加の国土交通省が見て見ぬふりをし、その結果として鉄道職員が削減されるとするなら、事業改善命令とは一体何だったのでしょうか。
    仮に、理不尽に鉄道職員の削減が行われるようならば、手持ちの資料 (と言っても、保安監査報告書と保安監査会議資料ぐらいのものですが) を公開してみようかと思います。関係者がここを見ているかどうかは分かりませんが、鉄道の安全を守ることがどれだけ大変か、資料を見て真剣に考えて頂きたいところです。
 

あるべき姿

  • 銚子電鉄のあるべき姿とは?
    協議会会長は第1回協議会の冒頭の挨拶で、「銚子電鉄のあるべき姿」 について考えるべきだとしています。観光業界にとっては 「観光客を呼び戻せる銚子電鉄」 が在るべき姿かも知れませんし、市政の側からは 「財政負担の少ない銚子電鉄」 が在るべき姿かも知れません。国土交通省は 『鉄道事業で収益をある程度確保することが 「あるべき姿」 だと考えている』 と明言しています。しかしその前に、間違いのない 「あるべき姿」 があります。
    とかく忘れられがちですが、最も大事な在るべき姿は 「銚子市民や観光客が安心して利用できる安全な銚子電鉄」 です。当たり前すぎて議題に上らないのかも知れませんが、議事録を見るに、「正面衝突事故を起こして僅か10年ほど後に、安全上の問題を理由に事業改善命令が発令され、未だ十分な安全対策が完了していない事実」 について、協議会はあまりに無関心であるように見受けられます。
     
  • まだまだ必要な安全対策
    「銚子電鉄の安全対策は完了している」 と誤解している人もいるかと思いますが、銚電の安全対策は最低限をクリアしているかしていないかというレベルです。車庫での車両点検や架線の点検は活線下 (架線に電気を流した状態) での作業を強いられ、ATSも平成14年度に導入を求められながら未だ導入出来ずに監督官庁から猶予されている状態です。
    線路も基礎部分が貧弱で、コンクリート製枕木さえ使うことが出来ません。笠上黒生や君ヶ浜や外川に積まれているコンクリート枕木を見て、どうして使わないのかと不思議に思っている人もいるかと思いますが、アレは現状では使えず、路盤が強化されて使えるようになる日が来るのを待っているのです。
    個人的には、銚子駅の終端部分に過走防止装置を整備するなり、緩衝装置を設置するなり、制動靴 (ヘムシュー/カーキャッチャー) を置くなり、可能な対策を早急にしてほしいところです。
    鉄道マニアにしか分からない裏事情は置くとしても、沿線を歩いて踏切警報機の現状を見れば、銚電の安全対策がまだまだ必要であることが分かるはずです。ですが協議会の議事録を見るに、委員からは安全対策を向上させるべきとの提案の声も、安全対策は大丈夫なのかとの疑問の声も、安全対策がなっていないとの批判の声も殆んどありません。
     
  • 協議会自身が把握することの必要性
    「安全性維持向上のための老朽化施設の更新」 に多額の費用が必要なことは、市長や協議会も十分に認識していることかと思います。ですが、「安全性維持向上のために何が必要か」 を理解せずに議論をしても、「いくら費用を圧縮できるのか、いかに圧縮するか」 という話になりがちです。
    理想を言えば、「市や協議会自身がどのような安全性の問題があるかを把握し、どのような安全対策が必要であるかを提示し、優先度を判断して取捨選択する」 という 「良い意味での仕分け」 を行うことが出来れば良いかと思います。
    本来、安全対策案は銚電側から提示されるべきものですが、「支援を受ける側」 からは、萎縮して十分な対策を要望できない場合があります。それ以前に、いまの新経営陣のもとでの銚電は、「ただイベントをやりたいだけのグループ」 の影響を受け過ぎている感があり、まともな安全対策案すら提示できなくなっている不安が拭えません。
     
  • 真の市民鉄道とは?
    「真の市民鉄道」 とは、その成果も責任も市民のものになるということです。「仲間どうしでイベントごっこに明け暮れる」 のが市民鉄道ではありません。
    銚電が再び大きな事故を起こせば、そこからの再起は至難の業です。「あのとき真面目に安全対策に向き合い、お金をケチらなければ良かった・・・」 と後で後悔しても遅いのです。
    法的な事故責任を負うのは銚電の経営陣や担当職員ですが、銚電に資金を投じることの可否を決める立場にありなから、安全問題に無関心なまま再建計画を承認したならば、協議会と市行政は応分の信用を失うことになるでしょう。銚子市民は、事故で銚電が廃線となった場合、無駄金を投じた負担を負うことになります。
    観光業界は、観光客の減少という形で負担を負うことになるかも知れませんし、観光業界による主催・共催のイベント列車が事故を起こせば、賠償金の負担が生じるかも知れません。
    市民自身が銚子電鉄を市民のものにするためには 「何をやりたいか」 を主張するだけでは駄目で、「何をするべきか」 を考える必要があります。市民の代表と代行者である市長と市行政と協議会には、銚電の再建計画のなかにどのような安全対策が組まれることが必要か、真剣に考えて頂きたいところです。
     
 

その他

ぬれ煎餅は安心か?

  • 再建計画(案) では、再建策の3つのテーマの1つとして 「ぬれ煎餅等、副業事業の拡大」 を掲げ、年間5億円を当面の目標に工場の増設・移設を伴う増産を打ち出しています。
    「噂のあった委員も辞任したし、これで濡れ煎餅事業は安泰だ!」 と喜びたいところですが、協議会には副業部門は切り離すべきと主張する人物がおり (2013.6.1のMSN産経記事)、また存在しない減車危機や減便危機で騒いでいた経緯からすると、まだまだ安心するには早過ぎるかも知れません。
  • また、ホテル・旅館業の経験をもとに、JRキオスクや高速道路PAへの濡れ煎餅の売込みを成功させるなど食品事業の発展に寄与してきた小川文雄氏の社長退任により、銚電の新経営陣が今後に、食品事業を維持・発展させることが出来るかどうかについても未知数です。
 

値上げと市民ニーズ

  • 再建計画(案) の18ページ目には、「営業努力 (運賃の値上含) 年額800万円の収入増」 とサラッと記されています。つまり、値上げすると言っています。
    20ページ目には 「電車運行コストと運賃収入のギャップ拡大 (市民ニーズの把握による乗客の掘り起こし)」 と記されていますが、運賃の値上げと減便って、市民ニーズに合致するものなのでしょうか?
 

変電所は増強しないの?

  • 旧型車時代の銚電は、冬の寒いなか負荷で発熱する変圧器にホースで水を掛けながら、乗客を満載した初日の出輸送列車を運転したと聞きます。また今年の6月下旬より、2000形が走行中にも冷房を使用するようになりましたが、ノッチ制限 (車に例えるとアクセルを強く踏まないで運転すること) や電力負荷をかけるスイッチ操作を行わないなどのウラ技的な方法で、変電所の容量不足に対処しているようです。
  • 変電所の容量不足に悩まされてきた銚子電鉄ですが、再建計画(案) に変電所の増強や更新についての計画はありません。それどころか銚電側は、設立会議 (4月11日) の質疑応答で 「あと10年程度は持つものと考えている」 と発言しています。変電所の増強や更新が必要でないかのような発言を、なぜ銚電はするのでしょうか?
  • 減便するなら変電所を増強する必要性は弱まりますね、逆に変電所を増強した上で減便すると 「市が資金を出して増強したのに減便するとは何ごとだ、無駄な散財ではないか」 と追及されることになります。変電所の増強・更新が必要でないかのような銚電の姿勢もまた、減便・イベント派の意向を汲んだものではないかと思うところです。
 

上下分離とWikipedia

  • 「再建計画書 《補足資料》」 の9ページ目に 「7.上下分離方式について」 の項目がありますが、内容が 「Wikipedia (ウィキペディア)」 の記載をほぼ丸ごと転載したものとなっています。ウィキペディアは調べ事の取っ掛かりとしては便利ですが、「公的な文書の資料となるほどの信頼性は無い」 というのが一般的な見方です。
  • また、「銚電の新経営陣は、ウィキペディアの記載程度しか上下分離方式について調べていないのではないか」 との疑問もあります。
    特に、若桜鉄道と信楽高原鐵道は、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律第25条の3」 に基く国土交通大臣の認定を経て、公有民営化方式で上下分離方式を導入した重要な事例ですが、この肝心な2例について 「再建計画書 《補足資料》」 には記載が無く、勉強不足の感が否めません。
  • 「再建計画書 《補足資料》」 やウィキペディアの記載を見ると、「上下分離方式で銚子市が負担するのは設備費のみで、銚電の運営赤字を負担する必要が無い」 かのような印象を受けますが、実際の導入事例はそうではありません。
    若桜鉄道の鉄道事業再構築実施計画書には、「本実施計画で想定された効果が得られず、若桜鉄道(株) が単年度最終赤字を計上することとなる年度においては、若桜町及び八頭町が当該赤字の補填を行うものとする。」 と記載されています。これは秘密でも何でもなく、若桜町公式HPにも概要が記されています。
  • つまりですね、仮に銚電の鉄道事業再構築実施計画が若桜鉄道と同様に策定されるとすると、「イベント列車を走らせるために減便し、これにより運賃収入が30%減少した場合には、銚子市が年間2500万円の赤字を負担するハメになる可能性がある」 ということです。こういう大事なことはですね、ちゃんと銚電側が調査した上で協議会へ説明する必要があるのではないかと思います。
 

国土交通省って、ちゃんと文書をチェックしてるの?

  • 興味があるのは、現在の再建計画(案) をベースにした正式な再建計画を、銚子市と銚子電鉄が 「鉄道事業再構築実施計画」 として作成した場合、国土交通省がこれを認めるかどうかです。
    個人的には、とても上下分離導入が認められる内容とは思えませんが、役所的なルーティンワークとして認められてしまう感も無きにしも非ずです。実は、そんな事例かありまして。
  • 関東運輸局は、銚電より事業に関する報告を受けていますが、平成22年度の報告のうち特に会計に関する部分が、なんと言いますか、報告書の呈を成していないものでした。ところが運輸局は、そのまま報告書の受け取り手続きを完了してしまいます。
    その後、普通はあまり無いであろうイレギュラーな手続きにより報告書の不備が指摘されたことで運輸局は銚電を指導、会計に関する部分が差し替えられました。結局のところ運輸局は、「鉄道部門が赤字で大変な銚子電鉄の会計報告」 に目を通していなかった訳です。
  • 銚電の会計報告が杜撰だとか、運輸局が受け取った報告書に目も通さずルーティンワークで処理しているとか、あまり言いたくなかったので黙っていましたが、「杜撰な再建計画が策定されたり、杜撰なルーティンワークで国土交通省が再建計画を認めたり」 といったことが起こってしまっては困ります。
  • 若桜鉄道の上下分離導入手続きにあたっての手元の資料 (大臣認定に係る申請書、鉄道事業再構築実施計画書、中国運輸局の調査書など) を見ると、官僚というのは文書を作るのが本当に上手いなぁ、と感心します。
    「計画書の良いところのみを採り上げ、不備には触れず、将来について具体的な数値を示さない」 という方法で調査書を作成すれば、問題だらけの銚電の再建計画(案) でも上下分離が認められてしまうのではないかと思えてしまいます (若桜鉄道の計画に問題があると言っている訳ではありません、念のため)。
  • 国土交通省の鉄道局は、鉄道の設備補助や運営補助については長い歴史を有しますが、「イベント主体による増客・増収計画」 などについて、将来予測を含めた計画の妥当性を適正に評価できる態勢が整っているのかどうかは疑問です。
    この手の新しい商業分野の振興は経済産業省のほうが向いている気もしますが、このへんは省庁間の縄張り争いでもあるのかも知れません。震災復興予算を狙って各省庁が色んなプロジェクトに手を伸ばしていることもあり、最近妙に国土交通省が地方ローカル鉄道支援に積極的なのも気になるところです。
  • 勿論、支援に積極的なのは良いことですが、基本的なことをなおざりにして妙なモノに手を出して失敗するのではないかとの不安があります。基本的なことというのはですね、例えば 「鉄道会社から事業報告書が提出されれば、ちゃんと目を通す」 こととか、「上下分離導入に係る申請があれば、乗客を増やす努力が払われている計画書であるかどうかをちゃんとチェックする」 などのことです。
    銚電の新経営陣は 「減便ダイヤで多くの乗客を減らしてでもイベント列車を走らせる」 という再建計画を提示していますが、こういうトンデモ計画に対しては 「新しいことをどんどん認めていこう」 などと妙なことを考えずに、お堅い役所として粛々と計画の妥当性を判断してほしいところです。
     
 

議会と市民が納得できる再建計画を

  • 再建計画(案) をひとことで言うと、「自滅したいのか?」 という感想しか出てきません。ただそれは、銚子市民でも経営の専門家でもない当方の個人的な感想に過ぎません。未来に絶対はありませんから、「再建計画のイベント列車が年間100万人の観光客を銚子に呼び寄せる」 なんて可能性も、「絶対に無い」 とは言い切れません (どの程度の成功確率かは分かりませんが)。
  • 銚子電鉄の再建計画(案) を受け入れるかどうかを決めるのは銚子市民です。具体的には、再建計画が妥当であるかどうかを協議会が評価し、再建計画に必要な予算を市議会が承認し、銚子市民の代表である市長が予算を執行することになるかと思います。
  • 再建計画(案) を 「市民ニーズに合致した減便ダイヤの導入でコストを削減し、イベント列車の運転で多くの観光客を呼び戻す、夢のある素晴らしい計画」 と捉えるのも、また 「減便ダイヤは市民ニーズに反した不便なもので多くの乗客を流出させ、コスト削減どころか赤字を大きく拡大し、さらには回遊性の低下により観光客の銚電離れを起こさせる危険性のある計画」 と捉えるのも、また 「ぬれ煎餅事業を狙ったり廃線を目論んだりする勢力が介入した自滅的な計画」 と捉えるのも、銚子市民の自由です。
    協議会が妥当と評価し、市議会が承認し、市長が執行するなら、それがどのような計画であっても、銚子市はそれを実行することが出来ます。
  • ただ一つだけ言わせて頂くと、「減便ダイヤ導入後の乗客数や収入額の見通し」 だけは、市や協議会で十分に精査した方が良いかと思います。今後に経営コンサルタントに調査等を依頼する場合でも、銚電ではなく、市や協議会自身がコンサルタントに依頼する形にしないと、正しい情報は得られないのではないでしょうか。
  • くれぐれも市と協議会には、市議会(議員) と市民が納得できる再建計画を銚電に策定させ、「あとになって銚子市民が騙されたと憤る事態」 にならないようにして頂きたいところです。

 
 
 

8月25日、栗橋みなみ夏祭りに銚電出展予定 (8/24記)

  • 明日8月25日(日) に、栗橋文化会館イリス (JR・東武栗橋駅より徒歩約15分) で開催される 「第4回栗橋みなみ夏祭り」 に、銚子電鉄が出展する模様です。

8月19〜20日の銚子電鉄 (8/20記)

  • 8月20日のRMニュースによると、8月19日に、総武本線の検測のため来銚したE491系検測車 「East i-E」 とデハ1001(銀座線色) が、銚子駅で10分ほど並んだとのことです。E491系は8月19日に総武本線、8月20日に成田線を検測したようですが詳細は不明です。
  • 8月20日、銚子電鉄公式ブログの予告どおりにデハ1001(銀座線色) とデハ1002(丸ノ内色) が運用に入りました。
  • 8月20日現在、デハ801は外川駅の機回し線に、ユ101(澪つくし号) は笠上黒生の風葬線に留置中です。また、デハ2000形は2編成の両エンドとも、正面サボ受けを外しています (デハ2両は8月20日、クハ2501は8月19日、クハ2502は8月18日現在)。再塗装されたデハ2002の正面車番はまだ入っていません。
    デキ3は仲ノ町の最奥線に留置されており、最近に製作されたと思われる手摺り付きのステップで運転室を覗ける位置にいることが多いようです (ステップを昇って見学して良いかどうかは仲ノ町駅でご確認下さい)。
     

8月24日、外川つくしB2サイズポスター発売予定 (8/8記)

  • 8月24日より、トミックスの常設ショールーム 「TOMIX WORLD 大宮店」 にて、「鉄道むすめステーションポスターB2:edition」 が限定商品として発売されます。これまで発売されたB3サイズのステーションポスターのうち、人気投票で上位だったデザイン4点をB2サイズで販売するもので、4種のうち1種が 「外川つくし」 をデザインした銚子電鉄のポスターです。
  • 外川つくしポスターのデザインは 「鉄道むすめステーションポスター vol.2」 の014と同じデザインのようで、価格は税込で1000円です。「TOMIX WORLD 大宮店」 のほかトミーテック出展イベントなどでも販売される可能性がありますが、販売予告は期待できないようです。

千葉三越イベントの3社硬券セットの見本公開 (8/7記)

  • 本日8月7日から12日まで千葉三越で開催されている 「鉄道フェア」 にて各日50セット限定で販売される、銚子電鉄・小湊鐵道・いすみ鉄道の3社硬券セット (1050円) の見本画像が、いすみ鉄道公式HPと鉄道ホビダスで公開されています。

8月20日、デハ1000形2両にて運行予定 (8/7記)

  • 8月7日の銚電公式ブログによると、8月20日(火) は、デハ1001(銀座線色) とデハ1002(丸ノ内色) の2両が運用に入る予定とのことです。

Last-modified: 2014-05-03 (土) (3648d)